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旅行ガイドブック『るるぶ』の豆本が登場 あえて「27分の1」の大きさにしたワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月14日 8時10分

旅行ガイドブック『るるぶ』の豆本が登場 あえて「27分の1」の大きさにしたワケ

JTBパブリッシングが『るるぶ豆本』を発売

 「豆本」をご存じだろうか。手のひらに収まる小さな本のことで、学生のころに「なぞなぞ」や「占い」などの豆本を持っていた人も多いかもしれない。

 JTB傘下で出版事業を手掛けるJTBパブリッシング(東京都江東区)が4月下旬に、旅行ガイドブック『るるぶ』の豆本を発売したところ、想定以上に好評のようだ。発売から2週間の売り上げは計画よりも1割ほど上回っていて、完売の店もちらほら出ているとのこと。

 『るるぶ豆本』(1個500円)はカプセルトイとして販売していて、サイズは横40ミリ、高さ50ミリ。ガイドブックの27分の1の大きさである。テーマは「温泉」「縁結びスポット」「観光道路」「無料スポット」の4つで、1冊当たり全国55カ所の情報をまとめている。

 左ページに写真とその場所の基本情報を掲載し、右のページではより詳しく紹介。旅行ガイドブックとしての実用性を備えつつ、豆本らしさも忘れずに「なぞなぞコーナー」も盛り込んでいる。

 なぜJTBパブリッシングは『るるぶ豆本』を販売したのか。きっかけは、カプセルトイを製造するケンエレファント(東京都千代田区、以下:ケンエレ)からの打診である。というのも、ケンエレは2022年に『マニア豆本』を発売し、売り切れが出るほど人気があったので、豆本になるコンテンツを探していたという経緯がある。

 豆本は昭和30年ごろにブームが到来して、全国に広がった。その後、静かに売れていたが、近年、昭和レトロを好む若い人が増えていることもあって、密かに人気が高まっていたようだ。

 『マニア豆本』は5つのテーマを扱っていて、その中の1つ「例の看板」を手にするために、多くのファンがガチャを回した。新潟県長岡市に「松田ペット」というペットショップがあって、地元ではその店の看板がいたるところに掲げられている。看板の多くは犬3匹が描かれていて、しかも驚くことにその全てが手書きだという。

 ケンエレはこの看板に注目して豆本で紹介したところ、地元住民だけでなく、全国から「これほしい」「おもしろい」という声が届き、スピンアウト商品を扱うことに。「松田ペット」の看板が描かれたエコバッグ(1個400円)を発売すると、こちらも好評を得て、現在は売り切れとなっている。

●編集作業に苦戦

 豆本がいい感じで売れている、しかも若い人が注目している――このことに、JTBパブリッシングの担当者は目をつけた。というのも、『るるぶ』のメイン読者は30~40代の女性である。「若い人にも読んでもらいたいという課題がある中で『るるぶ』の豆本があれば、若い人にも認知が広がるかもしれない」(ソリューション事業本部の南田裕介さん)と考え、商品化に踏み切ったのだ。

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