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段ボール箱で肉をジュージュー! 自分で焼ける「焼肉弁当」が上陸 試験販売はどうだった?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月18日 11時13分

 「自社のお弁当の特徴を出すために、肉の種類を増やすなどさまざまな工夫を凝らしてきました。しかし、肉の色は茶色。白いご飯の上に肉を乗せて、野菜を添えてといった具合に違いを出すことが難しいんですよね。そうした状況の中で、何ができるのか。『エンタメ性』を打ち出せないかと考えました」(鳴坂社長)

 弁当を食べるだけでなんだかワクワクするような、これまでになかったモノはないか。いろいろ調べていくうちに、米国で「肉を焼ける焼肉弁当がある」ことを見つけた。販売しているのは米国だけでなく、香港、シンガポール、フィリピンにも進出している。であれば、日本でも販売するチャンスがあるのではないかと考えた。

 どんな会社が販売しているのか。確認したところ、コロラド州にある段ボール会社。自社の段ボールを使って「弁当箱」をつくっていて、その中に詰める具材は飲食店などが用意する。米国は段ボールの価格が安いということもあって、そうしたビジネスモデルが成立することも分かってきた。

●一難去ってまた一難

 海外で売っている「アツアツの焼肉弁当」を日本でも販売できないか――。米国の段ボール会社に打診したところ、話はとんとん拍子に進んだ。先方は「多くの日本人は焼肉が好き」なことを知っていて、チャンスがあれば日本での展開を視野に入れていたそうだ。

 そんなこんなで、両社の思惑は一致。カルネヴァーレ社は弁当箱を輸入して、日本で販売することになったのだ。だが、しかしである。初めてのことなので、話はスムーズに進まない。輸入の「通関」である。弁当の中に「炭」「マッチ」などが入っているので「危険物」と見られ、サンプルがなかなか手に入らなかったのだ。

 その後、なんとか手にできても、「炭」が使えないことも分かってきた。米国から送られてきた炭は「木炭」で、着火は速いが、大量の煙がたちこめる。家の庭で楽しもうと思っても、煙がたくさん出ると近所の家に迷惑がかかってしまう。こうした懸念があったので、木炭ではなく、煙が少ない「竹炭」に変更した。木炭に比べて竹炭は着火に難があったが、それでも煙が少ないほうを選んだ。

 これで一件落着……というわけにはいかない。次は、許認可である。これまでになかった弁当を扱うということは、いろいろクリアしなければいけないことが多い。保健所や役所などを回って、日本の衛生基準や消防法の規制に合うように何度も何度も修正を加え、ようやく試験販売にこぎつけたのだ。

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