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「社員もネットカフェを利用しないときがある」 快活クラブの反省、渋谷新店舗に生かす

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月22日 12時30分

「社員もネットカフェを利用しないときがある」 快活クラブの反省、渋谷新店舗に生かす

快活CLUB渋谷センター街店(編集部撮影)

 インターネットカフェ最大手の「快活CLUB」を運営する快活フロンティアは7月11日、渋谷に「快活CLUB渋谷センター街店」をオープンした。「スキマ時間のKEY PLACE」がコンセプトの同店舗は、「ネットカフェは何となく入りづらい」という見えないハードルを打開したい狙いがあるという。新コンセプトでの出店に至るまでの経緯を、同社経営企画部の大城奈央氏に聞いた。

 同店舗は、渋谷センター街にあるビルの2~4階に位置。同社が渋谷に出店するのは今回が初めてだという。

 2階には受付とCAFE LOUNGE(全24席)があり、3~4階が完全個室(全45席)となっている。24時間営業でフリーWi-Fi、充電、ドリンクバー、シャワー、コミック・雑誌、プリンターなどを常備。受付は完全セルフレジで、会員証の発行場も併設した。料金は新店オープンを記念した特別価格で、CAFE LOUNGEが1時間480円、完全個室が1時間980円だ。

●新コンセプトの店舗を立ち上げたワケ

 快活CLUB全店舗のうち70%が郊外にあるなか、同社は都心や主要駅前の出店を進めている。大城氏によると、渋谷店も当初は、既存店と同じような店舗設計になる予定だったという。しかし、店舗計画を具体的に進める段階になった際に「これまでと同じ店舗ではだめだ」という意見が出たそうだ。

 こうした意見が出た背景には、同社が近年力を入れている「客層の拡大」という課題がある。同社が独自で行った消費者調査によると、直近1年間で一度でもネットカフェを利用したことがある人は11%。その上、利用者の割合はこの3年間変わっていないという。「渋谷という好立地に見覚えのある店舗を出しても、客層の拡大は図れないでしょう。努力の方向を変える必要があるという結論に至りました」(大城氏)

●社員なのにネットカフェを利用しない

 では、どのように方向転換したのか。ヒントはこれまでの快活CLUBにあった。快活CLUBの利用シーンを見直したところ、「空いた時間をつぶす」「余暇時間にリラックスする」など「くつろぐ」ために使われていることが分かった。ここで大城氏はあることに気付いた。自分たちが「くつろぎたい」と思った際、立ち寄るのはどこか。快活CLUBを運営する会社の社員であるにもかかわらず、カフェを選んでいるのだ。

 くつろぎたい時に選ばれるカフェと、選ばれないネットカフェの差はどこにあるのだろうか。同社は20人ほどの調査チームを結成。渋谷の出店地近くのカフェ5店舗に張り付き、時間帯ごとの来客数やお客が何をしているのか、細かく調査した。

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