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NEC、デジタル社員証で社員2万人を“顔パス化”  CIOに聞く「組織をDX」させる狙い

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時45分

NEC、デジタル社員証で社員2万人を“顔パス化”  CIOに聞く「組織をDX」させる狙い

NECコーポレートIT・デジタル部門長の小玉浩CIO

 NECが開発を進める顔認証技術。その精度は「世界一」とも言われ、米国立標準技術研究所が実施した顔認証技術のベンチマークテスト(性能評価試験)では、認証エラー率が0.12%と、世界トップの数字を記録している。

 この技術力の高さをもとに、NECでは社内組織DXへの活用を進めている。4月には社員証のデジタル化による新システムを稼働。本社ビルの入退場がカードキーでなく顔認証で可能になり、社内の複合機やロッカーの使用も顔認証で利用できるようにした。社員食堂や売店での決済も、顔認証で実現している(NEC、社員2万人に顔認証の「デジタル社員証」導入 どんな変化が?参照)。

 社用携帯にインストールした社内アプリケーションによって、本体だけで2万2000人以上いる従業員同士のチャットも可能にした。身体に障がいがあったり意思疎通が難しかったりする社員に対して、移動を補助したり介助したりすることも容易にする。そんなオープンな組織作りにも生かしているのだ。

 社屋や従業員の情報をデータ化することにより、「財務」「人事」「IT」などの10領域92種類にわたる経営情報の可視化を実現。NECはこれを「経営コックピット」と名付けている。さらに、これらの社内システムに自社開発の生成AI「cotomi」(コトミ)を随所に展開中だ。

 こうした動きは、NECが進める価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」の一環として位置付けている。同社が進める2024年のDXには、どんな狙いがあるのか。DXを推進するNECコーポレートIT・デジタル部門長の小玉浩CIOに聞いた。

●デジタル社員証に顔認証システム どう活用?

――NECはデジタル社員証と顔認証システムを始めました。どのように社内で展開していますか。

 今のところは随時、興味のある社員に登録してもらう形にしていて、強制はしていません。管理しているアプリは社用スマートフォンでダウンロードできる形にしていて、現時点で2万ダウンロードを達成しています。アプリをダウンロードして、登録をすれば顔認証によって入退室や社内決済などができるようになります。

 7月からは勤怠システムとも連携する予定で進めています。ただ、繰り返しになりますが現時点で強制はしていないため、従来の社員証を用いたシステムも使用可能です。将来的にはどこかのタイミングで、全て切り替えていくことにはなると思います。

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