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日立が「1兆円買収」した米ITトップを直撃 日本企業の“根本的課題”とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時42分

 ニテッシュ・バンガ氏はインフォシスに勤務していた頃、約10年間日本で勤務し、日立と仕事をしていた経験がある。

 「私自身は日本の働き方や仕事の進め方を理解していましたので、統合を進める上でも驚くことはありませんでした。ただGlobalLogicのメンバーは、文化の違いを感じていました。私が社員に伝えたのは、文化の違いはあるけれども、その違いを生かして、お互いについて学ぶことから始めること。そして理解した後には、一緒に新しいカルチャーを作り上げていくことでした」

 日本で働いた経験と、日本文化への理解の深さが、統合を進める上で生かされているという。

 「私が日本の文化で好きな点は、ディテールに注意を払うことと、忍耐強いこと、それに質が高いことです。ある意味では慎重で、上流工程から下流工程へと開発を進めるウォーターフォール開発につながる面があります。一方で、GlobalLogicがビジネスを展開しているグローバル市場では、アジャイルであることとスピードが求められます。このお互いの違いを理解できたことが大きかったのではないでしょうか」

●日本市場への期待 日本企業が抱える課題とは

 ニテッシュ・バンガ氏はGlobalLogicの社長兼CEOの職にありながら、この4月に日立の執行役常務に就任し、デジタルエンジニアリングBUのCEOを兼務することになった。

 その大きな意義は、GlobalLogicの最新テクノロジーとデザイン思考を駆使した先進的な開発力を、日立が強みとしているハードウェアやソフトウェアの制御技術であるOT(Operational Technology)分野に浸透させること。それに、Lumada事業を通じて次世代のプロダクトやサービスを展開していくことだ。

 日立全体の価値創出の拡大に向け、かじ取りをする立場になったことへの抱負を、次のように語った。

 「執行役常務とデジタルエンジニアリングBUのCEO就任を、光栄に感じると同時に、とてもわくわくしています。GlobalLogicを含めたグローバルでの強みと、日本国内でのアプリケーションやソフトウェアの強みを合わせることで、独自のサービスを確立して、世界有数の企業に対して国際的なプロジェクトを進めていきたいと考えています」

 2022年4月には、GlobalLogicの日本法人であるGlobalLogic Japanを設立した。グローバルでのDX案件の実績と、デザイン主導のデジタルエンジニアリングをもとに、日本企業のDXを推進している。日本市場の可能性について聞くと「日本企業には大きなビジネスの機会があると思っています。日本企業は素晴らしいプロダクトやテクノロジーをすでに持っていて、質が高いことも世界中に知られていますから、ビジネスのための要素はすでにそろっていると言えます」と話す。一方で、日本企業への現状を次のように見ている。

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