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「配属ガチャ」は公務員にも? 入職後のギャップは「異動が多い」「17時に帰れない」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月25日 8時20分

 数年単位で繰り返されるジョブローテーションは、スペシャリストを目指す人材にとっては希望するキャリアパスを歩む上で障壁ともなり得るでしょう。国家公務員は人材確保を目的に、職務内容を明確にした「ジョブ型」雇用の拡大が期待されていますが、地方公務員においても同様と言えるのではないでしょうか。

 「当然だが、幅広い経験を積むのには時間がかかる。その先に何があるのか(結局自分は何がしたいのか)は常に探し求める必要がある。でないと組織に人生が埋もれる。行政課題を高いレベルで解決できることは、今後の人生にとても役に立つ。ただし、専門的な経験を積みたいというのが志望理由であれば、コンサルなどに入社するほうが成長は早い。行政課題に向き合いたい人には、面白い職場(ただし成長は遅い)だと思う」(事務、男性)

 「地元を良くしていきたい、地元で安定して働きたいという理由で入職しました。振り返ると、もう少し専門性が付く企業を選べば良かったと思います。また、必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、公務員から民間への転職は困難で、将来の転職の自由度が下がるという点も意識しておくべきでした」(行政、男性)

●「安定=仕事が楽」では決してない

 ワークライフバランスを入職後ギャップに挙げる声もありました。地方公務員といえば、「残業が少ない」といったイメージがありますが、実際に働く職員の声を見ると、想像よりも激務であることがうかがえます。

 「ワークライフバランスを取れるかどうかは、完全に部署や仕事内容による。人手不足や次々と生じる政策課題により、想像していた以上に忙しい。残業時間などの実態は、入庁前に実際に働いている職員に確認しておくことをおすすめする」(行政、男性)

 「『公務員は17時で帰れる』と思っている人がいまだに多いが、そんなことはない。本庁なら20時ごろまでの残業なんていくらでもあるし、部署によっては深夜2時まで残業の課もある。激務が原因で病気になる職員もいる。ただ、最近は『働き方改革』で労務管理がしっかりと効き始めているが、それでも定時で帰れる部署は少ない」(知事部局、男性)

●おわりに

 地方公務員の入職後ギャップを調査しました。実際に働く職員たちのクチコミを見ると、今の制度のままでは人材確保が難しいのではと危機感を覚える様子が伝わってきます。その一部を紹介します。

 「人的資本にもっと投資すべき。公務員であっても評価制度を明確にして、職員の士気を高めないともったいない。優秀な人が疲弊してしまう今の仕組みを変えるべき」(福祉課、女性)

 「年功序列の体系を崩したくないことは分かるが、実力主義を取り入れていかないと若手の給与は上がらないし、優秀な人材を集めることができないのではないか」(事務職、男性)

 人材獲得競争が熾烈(しれつ)化する中で、公的機関であるという「安定」だけでは人材を確保できなくなっています。多様なキャリアを能動的に選択していく時代において、地方自治体の採用においても柔軟な変化が必要なのではないでしょうか。OpenWorkでは今後も公務員の働き方に注目し、調査・分析していきます。

(オープンワーク)

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