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急速に進む「ヒューマノイドロボット」導入の動き テック企業が今、「人型」にこだわる本当の理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月26日 8時10分

急速に進む「ヒューマノイドロボット」導入の動き テック企業が今、「人型」にこだわる本当の理由

先端技術の象徴だったASIMO(出所:本田技研工業公式Webサイト)

 ふと立ち寄ったファミリーレストランで、店員に代わってラーメンやチャーハンを運ぶ配膳ロボットを見かけることも珍しくなくなった。

 例えば、ガストやバーミヤンを展開するすかいらーくホールディングスは、2022年12月、約2100店に3000台もの配膳ロボットの導入を完了している。導入されたのは、中国テック企業PuduTechが開発するネコ型配膳ロボット「BellaBot」だ。

 身近な生活空間の中で活躍する配膳ロボットはサービスロボットと呼ばれ、工場で安全柵越しに活用するような産業用ロボットとは区別される。サービスロボットはルンバのような家庭用ロボット掃除機を除き、長年期待されてきたものの普及には程遠い状態が続いていた。

 先のコロナ禍での非接触の推奨、そして飲食店における人手不足があったとはいえ、サービスロボットが身近な存在になったことは、一昔前では考えられない躍進といえるだろう。

 ChatGPTをはじめとした生成AIのブームの陰で、ロボットにも新たなトレンドの兆しが見え始めている。それが、ヒューマノイドロボット(人型ロボット)である。なぜ、AIテック企業は「人型」ロボットの開発にこだわるのか。

●「先端技術の象徴」から「未来の労働力」へ

 ヒューマノイドロボットと聞くと、40代以上では「アシモ」を思い出す人も多いのではなかろうか。アシモは本田技研工業が開発した二足歩行ロボットである。二足歩行そのものが困難だった2000年代にこれを実現し、巧みに踊るなどのパフォーマンスを見せるアシモの姿は、文字通り「先端技術の象徴」だった。しかし現代のヒューマノイドロボットは工場での作業など実用性を兼ね備えた、“未来の労働力”として開発が進んでいる。

 2024年1月、米国のスタートアップFigureは、ドイツの自動車メーカーBMW傘下のBMWマニュファクチャリングとヒューマノイドロボットの導入で商業契約を結んだと発表した。 

 プレスリリースによると、第1段階として自動車生産にロボットを適用するためのユースケースを探索し、第2段階として米国のサウスカロライナ州スパータンバーグにあるBMWの工場に導入するという。スパータンバーグの工場は、800万平方フィート(約74万平方メートル)に及ぶ広大な敷地に約1万1000人の従業員を雇用する、BMWにとっての一大生産拠点だ。

 北米で唯一BMWミュージアムを擁するなど、欧州の自動車メーカーである同社にとって、米国の消費者に披露する場として“ショーケース”の役割も担う。工場見学のプログラムもあり、数年後には、ヒューマノイドロボットが活躍する姿をじかに見ることができるかもしれない。

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