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ぐるぐる回して「ビールがきんきんに冷える」 理科の実験のような“缶クーラー”が人気

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月29日 5時30分

ぐるぐる回して「ビールがきんきんに冷える」 理科の実験のような“缶クーラー”が人気

まるで理科の実験? 「缶クーラー」が人気

 家電メーカー「ライソン」(大阪府東大阪市)が5月28日に発売した缶飲料用急速冷却器「至高の缶クーラー"KINKIN COLD"」(以下、KINKIN COLD、参考小売価格3300円)が、猛暑を背景に想定を大きく上回る売れ行きを見せている。製品の特徴と人気の背景について、同社広報担当の三上紅美子さんに話を聞いた。

●「至高の缶クーラー"KINKIN COLD"」とは

 本製品は、缶飲料を3分で1.5度、5分でマイナス1度まで冷却できる。350ミリリットル以下サイズの缶であれば、ビールのほかハイボール、チューハイ、ソフトドリンクの冷却にも使用でき、炭酸も吹きこぼれない。屋外でも使用できるよう、電池式を採用している点も特徴だ。

 冷蔵庫に大量のビールを入れられない人や、飲食店のようなキンキンに冷えたビールを自宅で楽しみたい人を主なターゲットとした。利用シーンも多岐にわたり、自宅での晩酌はもちろん、バーベキューやキャンプなどのアウトドア、人が集まる場面での使用も想定している。

 ここ数年の猛暑と「氷点下の飲み物」への需要が開発の発端となった。「近年、氷点下ビールやフローズン系飲料が人気であることから、家庭用に氷点下飲料冷却器のニーズがあるのではないかと考えた」

 しかし、自宅で氷点下の飲み物をつくることは意外に難しい。冷蔵庫では氷点下まで冷えないうえ、冷凍庫を使用しても早く冷えるわけではなく、うっかり凍らせてしまうこともある。KINKIN COLDは、これらの課題を解決し、手軽に氷点下の飲み物をすぐにつくれる点がアピールポイントだ。

●SNSでの反響が後押し

 開発の過程では、冷却性能と価格のバランスが最大の課題となった。三上さんは「高性能な機器を採用すれば、より効率的な冷却が可能だが、価格が高騰してしまう。一方で、手頃な価格を維持しつつ、いかに効果的な冷却を実現するかが焦点だった」と振り返る。

 この課題を克服するため、開発チームは古典的な冷却方法に着目。氷と塩を入れて、あとは電動でくるくる回すだけ。アイデア自体は化学に詳しい人からすると当たり前の方法に感じられるかもしれないが、これにより、コストを抑えつつ効果的な冷却を実現できた。

 同製品の特徴は、その急速冷却能力と使いやすさにある。5分で氷点下まで冷却できるという性能を低価格で実現したことは、家庭用製品として珍しい。販売状況は同社の想定を大きく上回り、発売直後には社内の在庫がなくなった。現在は店頭販売分のみという。

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