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フォートナイトが「証券会社」「旅行会社」ともコラボして稼げるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月31日 7時45分

 通常、企業がメディアを使って行うコミュニケーション戦略としては、純粋にメディアのスペースや枠を買って行う「純広告」や、メディアにニュースリリースを投げ込むなどして、記事掲載を検討してもらう事が基本である。本事例はそのどちらとも異なる。

 フォートナイトの法人コラボは、ドラマなどの作品内に商品を登場させる「プロダクトプレースメント(Product Placement)」という広告手法に類似するといえる。同手法と比較してみよう。

 従来のプロダクトプレースメントは、企業が自社の商品を映画やテレビ番組の中で目立つ形で使用してもらうために費用を支払う。主に企業側が制作側に費用を支払い、商品やブランドを作品中で目立たせることが目的だ。

 一方、フォートナイトのクリエイティブモードを活用したコラボレーションは、単なる広告効果を超えて、双方向の利益を生み出す戦略的パートナーシップである。具体的には以下の通りだ。

相互利益の関係

 フォートナイトのコラボレーションは、双方が互いに利益を得る関係に基づいている。有名ブランドやキャラクターを取り入れることでプレーヤーの関心を引き、コラボレーション先は同ゲームの広範なプレーヤーベースにアクセスできるため、互いにブランド価値を高めることができる。

収益分配モデル

 特定のコラボレーションでは、売り上げの一部を分配する収益分配モデルが採用されることがある。例えば、コラボレーションスキンやアイテムの売り上げをフォートナイトとコラボパートナーで分け合うことで、双方が直接的な経済的利益を得る仕組みである。

コンテンツの双方向性

 プロダクトプレースメントでは、視聴者が受動的にコンテンツを消費するのに対し、フォートナイトのコラボレーションでは、プレーヤーが積極的に参加するインタラクティブな体験が提供される。ゲーム内イベントやクエストを通じて、プレーヤーがコラボレーションコンテンツと直接関わることで、より深いエンゲージメントが生まれる。

●フォートナイト側のメリット 新規ユーザー獲得と課金促進

 クリエイティブモードを活用したコラボレーション戦略は、新規ユーザーの獲得や無課金ユーザーの課金促進にも大きな効果をもたらしている。これは、「態度変容モデル」で考えるとよく分かる。まだ商品を知らない段階から、目的の収益化を図るゴールまで、刺激を与えて消費者の心情や行動を変えていくための働きかけが態度変容モデルだ。

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