“世界初”クラウドERPはなぜ生まれたのか Oracle NetSuite創業者が明かす
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 22時15分
ラリーは「これからは絶対にクラウドの時代になる」と言っていました。ソフトウェアを物理的にデリバリーするのはこれから何年かの間だけであって、それ以降の少なくとも1000年ぐらいは「ソフトはクラウドになる」と言っていました。現にあれから四半世紀がたち、ラリーの言ったような状況になっていますから、それは正しかったのだと思います。残りの975年がどうなるかは私には分かりませんが(笑)。
――ラリー・エリソンさんが「これからは絶対クラウドだよ」と言った時、ゴールドバーグさんはどのように感じましたか。
私はその言葉を最初から信じてしまいました。それだけ言葉に重みがあり、信念があったのだと言っていいのかもしれません。私がNetSuiteで実現したかったのは、とにかくダッシュボードなんですね。全てのビジネスのファクターや要因を、目の前の1つのダッシュボードで見ることができれば、絶対にうまく経営することができるという信念を持っていたからです。そしてそれをクラウドでいかに実現するかが課題になりました。
開発段階では、最初の数カ月間はソフトを買って、それこそオンプレミスでやっていました。それを今度は自分たちの会計システムでやってみて、ダッシュボードを作りました。そして自宅に戻り、自宅のブラウザからそのダッシュボードを表示できた時に、私は「これこそが未来だ」と確信しました。
――なぜゴールドバーグさんは、1つのダッシュボードで可視化することが「経営が絶対にうまくいく」要素だと確信していたのでしょうか。
起業家や経営者であれば、会社の全体像を見たいという欲求は当然のことです。例えばマーケティングにお金を使ったことがどれぐらい整理できているか。例えば製造業であれば、生産コストやマーケティングコスト、製品を運搬するコストなどの各要素がどのように経営に跳ね返ってきているかを全て見ながら、最適な決定をしていかなければなりません。従って、ダッシュボードは何より重要になります。
分かりやすい例をもう一つ挙げます。例えば2つの製品があったとして、1つは製造費がとても高い製品、もう1つはマーケティングやディストリビューションのコストが高い製品だったとします。この2つの製品が競合した際に、どちらのほうがより良い製品として売れるのかを見るためには、全体像が見えないといけないと思います。
かつてはマーケティングや製造など、そういったものは全て別々で、一つにつながってはいませんでした。会計システムを見た時には、例えばマーケティングであればマーケティングだけのデータが1行入っているだけ、製造だったら製造コストのデータが入っているだけといったように、ばらばらで表示していました。ですから、当時の会計ソフトの課題としても、それらが部門ごとにどういった相関性を持っているかを見られなかった問題がありました。これを世界で初めて解決したのが、NetSuiteになります。
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