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“世界初”クラウドERPはなぜ生まれたのか Oracle NetSuite創業者が明かす

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 22時15分

――その後、NetSuite社は2016年にオラクルに買収され、事業名も「Oracle NetSuite」になりました。今では世界219の国と地域で、3万8000社以上の顧客、32万4000の子会社や組織で導入されています。特に米国ではスタンダードになっているERPです。

 3万8000社以上に上る顧客のうち、半数以上が米国の企業になります。このように全世界でNetSuiteの導入が進んでいるのは、簡単にすぐに使えるソリューションであったことが大きく影響していると思います。例えば、現地の地場のシステムを利用していたとしても、不必要な機能が入りすぎていて、実装コストが高くなり、導入コストがその分余計に高くなる問題がありました。

 こうした中小の経営者の課題に対し、NetSuiteはカスタマイズして導入できるため、この点が特に受け入れられたと考えています。NetSuiteでは日本をはじめ、世界各地で、現地の商流に合わせた機能も展開しています。導入コストも廉価に提供できていると考えています。この点が世界中の企業で導入が進んでいる要因だと思っています。

――日本ではDXの格差もあり、ERPを導入していない中小企業もまだ珍しくありません。NetSuiteをはじめとするERPを、企業が導入しないことによるデメリットをゴールドバーグさんはどのように考えていますか。

 ERPを活用しないことで、収益性を伴う企業の成長速度が損なわれるリスクが高まると考えています。例えばERPパッケージではない、より中小企業向けのソフトを活用して、手作業中心で業務を進めようとすると、ビジネスが拡大にするにつれて非効率性が出てきてしまいます。

 例えばeコマースの企業の場合、最初のうちはリターンも小さく、またビジネスの規模も小さいため、マニュアルの小さなシステムでも対応できると思います。ところがビジネスが拡大し、リターンも大きくなるにつれて、それなりのシステムが必要になってきますね。

 そうなると、自社のプロダクトやサービスを考えた際、システムが古いままではビジネスの速度も遅く、社員や顧客のフラストレーションも溜まる弊害が起こります。手作業のプロセスを従業員にやらせることも好ましくありません。その分、人材の無駄になります。

 こうしたマニュアルの手作業を省力化することによって、従業員にはその分クリエイティブなことをやってほしいと思います。こうしたDXを進めることで、企業はより成長し続けられると確信しています。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

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