セダンが売れる時代はもう来ないのか クルマの進化で薄れていく魅力
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月3日 10時5分
SUVやミニバンのハンドリング性能や乗り心地が向上したことがセダン離れを招いたと書いたが、もはやドライバーの運転への関心度が低下していることも、セダンの魅力が伝わりにくい状況を招いている原因になっている。
運転支援システムやカーナビの充実により、運転自体へのドライバーの支配度は以前と比べ明らかに低下している。
走行中にふらつけばレーンキープアシストが修正舵を入れてくれ、高速道路ではACC(アダプティブクルーズコントロール)が前走車に追従して速度を調整してくれる。よそ見をしていても衝突被害軽減ブレーキが、前走車への追突を防いでくれる。
目的地を入力すれば、最適なルートを案内してくれるカーナビは、今や思考停止したドライバーにルート通りに運転させるように、立場が逆転してしまった。そのため1分でも到着予測が早ければ渋滞ルートを選ぶナビに従ってしまうことでさらに渋滞はひどくなり、週末は高速道路の渋滞が慢性的に起こっている。
まだまだ一般道ではドライバーが運転操作をしなければいけない領域が大半だが、多くのドライバーはクルマの機能に頼り切り、できる限り手抜きの運転をしたがるようになってきたように見える。高齢化や運転免許取得の容易さが背景にあるだろう。
衝突事故を未然に防ぐような危機回避能力は、明らかにボンネットや車高が低いセダンが優れている。しかし、クルマを購入するとき、そうした基本的なクルマの能力を気にする人はほとんどいないだろう。むしろ大きなクルマの方がぶつかったときに安心、と思うのではないだろうか。
これまで自動車メーカーはドライバーの疲労を軽減し、交通事故被害を減らすための機能を盛り込み、精度を高め、実際に交通事故死傷者を激減させることに成功した。だが、ドライバーの安全意識は高まったどころか、低下しているようにすら感じる。
一度、車高が高く室内も広い(SUVがセダンより広いとは言い切れないのだが)SUVやミニバンに慣れてしまうと、乗り降りの楽さや大きなクルマを乗り回す余裕は捨てがたい魅力だ。
残価設定ローンを使って高級ミニバンを乗り回す層は別としても、リセールの高さや乗り回したときの満足度から、目新しさを感じさせるカテゴリーやモデルを選びたくなる傾向もセダン離れを加速させている。
●プリウスは奮闘しているが……
唯一、気を吐く存在なのがトヨタのプリウスと言えるだろう。ハイブリッド専用車両として5代目となる現行モデルは、従来であればセダンの部類には入らないクルマだ。しかし空気抵抗軽減のためのスタイリングを優先した結果としてハッチバックを採用しているに過ぎないので、クルマとしての目的はセダンと変わらない。
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