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ミドルの採用、競争が激化 苦戦する企業の「3つの共通項」とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月26日 7時25分

 またBさんは、長年にわたり事業開発に従事してきた知見やスキルを、自発的にメンバーに教える取り組みを行っていました。さらに深堀りしてみると、メンバー育成にも興味があるとのことでした。

 最終的には以下の2点が決め手となり、A社は面接を通じ、Bさんの採用を決定。特にA社は、求める経験以上にBさんの仕事に向き合う姿勢が社風に合うと判断しました。

・業務改善に自発的に取り組む人材を評価するA社の社風にマッチしている

・メンバー育成への興味・関心、実績

 ここからは、本採用成功ケースをおさえた上で、企業のミドル層採用のポイントを解説していきます。

●勘違い(1)スキル要件を満たしていない人材とは面接しない

 本事例において、職務経歴書だけで判断するならば、採用には至らないでしょう。しかし面接を通じて、職務経歴書には表れないその人の経験やスキル、人間性、さらには記載があったとしても読み取れない詳細な取り組み内容やその意欲を知り、それが決め手となり採用に至るケースは、実は即戦力の採用において多くあります。

 つまり、スキルは重要である一方、スキル判断を職務経歴書上でしすぎてしまっている点が、ミドル層採用がうまくいかない大きな要因の一つなのです。

 完全にスコープから外れている場合を除き、求める経験と近しい経験を有する人材ならば応募状況に応じて、できるだけ面接してみる。そして、職務経歴書からは読み取れないその人の経験やスキルを深く理解する。職務経歴書を確認しただけで採用できない理由探しをしすぎることなく、面接を通じて採用できる可能性を見い出していくスタンスを持つことが大切です。

 一方で、条件の緩和が難しいケースや、採用選考にかける時間的工数や制約は、どの企業にも発生し得ることだと思います。そのため、採用の難度を考慮した上で、職務経歴書で判断すべきこと、面接で判断すべきことを切り分け、経営との採用活動に対するスタンスの合意形成や、人事・採用部門・受け入れ部門など関係者内で目線合わせすることも非常に重要になります。

●勘違い(2)求める人材像は「条件の掛け算」で考える

 今回の事例からも分かるように、ミドル層採用を行う企業は、ミドル層に求める条件を掛け算していく傾向が強くあります。この経験も、あの経験も、このスキルも、あのスキルも……と掛け算していくうちに候補者は減り、採用が立ちいかなくなってしまうのです。

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