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米オラクル幹部に聞く、生成AIが描くビジネスの未来 経営者はどう生かす?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時35分

――NetSuiteにおける生成AIの日本語対応が始まります。英語に次ぐ2言語目であり、日本市場への期待もうかがえます。日本市場への今後の投資についてどのようにお考えでしょうか。

 今、AIのテクノロジーは世界中に普及し始めています。その中で全ての言語でこれが使えるようになったらすごいことだと、私も興奮しています。そのためには大規模言語モデル(LLM)が必要になってきますので、LLMへの投資も進めていきます。これが可能だったからこそ、日本語対応がいち早く実装できました。

 これから先、私たちもAIへの投資を進めながらAIツールを日本の皆さんが使っていけるように頑張っていきたいと思います。同時に、汎用ではなく日本に特化したAIの専門家にも投資をしていきます。やはり、各国の市場によって求められているものは異なります。日本独自の商流など、日本にとって最も適切な技術を育成していくために専門家への投資が必要になります。

――日本に限らず、世界にさまざまな業種がある中で、DX投資によって変革の余地が大きい業種はあると思いますか。もし、特に注目している業界があれば理由とあわせて教えてください。

 あまり限定はしたくないのですが、今まであまりITに投資をしてこなかった業種が一番恩恵を受けると思います。例えばいわゆる従来のメーカーであるとか、物流会社であるとか、これまでITへの投資とDXを進めてこなかった業種を挙げることはできます。こういった企業ほどERPパッケージを導入することで、DXを推進できると思います。当社の製品であれば分野ごとにそれぞれ別のシステムを導入し、企業側で連携する必要性もありません。

 あと申し上げたいのは、今「○○業界」というような線引きがすごく難しくなってきている点です。製造業だけど実はサブスクリプションモデルで自社の製品を販売するような企業も続々と登場しています。業界間の境界線があいまいになっている意味でも、業界別に特化した製品を企業が導入するのではなく、汎用でオールインワンパッケージになっている製品を導入したほうが、DXという観点でも優れていると考えています。

――ゴールドバーグさんはオラクルを退職後、1998年に「NetSuite」を起業しました。起業した理由を教えてもらえますか。

 オラクルを辞めて、まずソフトウェア会社を立ち上げたのですが、これは失敗しました。シリコンバレーではお約束とされている“Mandatory Silicon Valley Failure”(シリコンバレーの義務的失敗)を経験したのです。これはつまり「絶対に失敗しないと学ばないから、まずは失敗しないといけない」という、シリコンバレーの通過儀礼です。

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