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米オラクル幹部に聞く、生成AIが描くビジネスの未来 経営者はどう生かす?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時35分

 私がオラクルを退社してからも、オラクル創業者のラリー・エリソンは私のビジネスを気にかけてくれました。私が最初に事業にしようとしていたのは、Webサイトのデザイナー向けのソフトだったのですが、ある日ラリーから「最近どう?」と電話がかかってきたんです。そこで私が全然うまくいっていないことを伝えると、ラリーは「何か別のことを考えないと。次は中小企業向けソフトのビジネスモデルはどう?」という話を5分だけして、それがNetSuiteの誕生につながりました。まさにラリーなくして、今のビジネスは生まれませんでした。

――NetSuiteはその後、世界初のクラウドERPとして、米国を中心に多くの企業が導入することになりました。ビジネスが好転していく際のターニングポイントは、どんなところにあったと思いますか。

 ビジネスが好転する前は、NetSuiteを企業に営業する際、CFOに向けて話をしていました。なぜならソフトへの出資を決めるのはCFOだからです。ところがCFOは立場上、会社の中で一番保守的な考えを持つ役職でもあります。当時のCFOは、情報をクラウドに置くことに対して、どうしても懐疑的になる場合が多かったのです。

 こうした中で、私がターニングポイントだと思ったのは、CFOの認識が変化したことです。こうしたCFOたちが当社の競合他社、つまり(自社で保有し運用するシステムである)「オンプレミス」によって展開しているソフト会社に対し、「オンプレミスだと自分たちでデータベースやハード、OSを管理しなければならない」と考えて、コスト面を意識した時だと思います。

 その点、NetSuiteでは、クラウド上でブラウザを動作させます。こうした導入コストが少ない当社の優位性を、多くのCFOが知るようになったとき「潮目が変わった」と感じました。

――なぜCFOの意識が変わったのでしょうか。

 当社のクラウドという考え方が、時代より早かったのだと思います。2000年代に入り、みんながインターネットに慣れてきて、2010年代以降は個人の生活でもクラウドを使うことが当たり前になってきました。もしかしたら、CFOも家庭の子どもたちを見ていてそう思ったのかもしれません。ただ、CFOですから、一番大きな理由はコストを節約できることだったのだと思います。

――経営者にとって必要な資質は何だと思いますか。

 どの国でも、どの会社でも、共通して3つの点を挙げられると思います。それは「ビジョン」「素晴らしい人材がいるかどうか」「きちんとした財務管理」の3つです。この3つができれば、素晴らしいビジネスができると思います。

 このうち、経営者のビジョンを元に財務管理を適切に円滑に進める上でも、ERPは導入すべきだと考えます。企業に優秀な人材がいれば、その人がERPの導入を勧めてくるかもしれません(笑)。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

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