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Amazonファーマシーは日本の薬局を駆逐できないであろう、これだけの理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月9日 6時10分

Amazonファーマシーは日本の薬局を駆逐できないであろう、これだけの理由

出所:Amazon.com公式Webサイト

 7月23日、アマゾンジャパンはオンラインでの服薬指導から薬剤の購入・配送までをワンストップで提供する「Amazonファーマシー」の参入を発表した。ユーザーは薬剤を自宅か最寄りの薬局で受け取ることができ、ウエルシアホールディングズ、新生堂薬局など全国2500店舗の薬局とパートナーを組んでいる。

 一部では「日本の薬局市場を駆逐するのではないか……」とまでささやかれる、画期的に見えるサービスだ。だがリリースから2週間がたった現在、話題性としてはいま一歩ではないか。

 同サービスが日本市場に参入するうえで直面しそうな課題と、その背景にある要因を探りたい。

●アットコスメとの協業で成功体験を積んだAmazon

 Amazonは迅速な配送、幅広い商品ラインアップ、そして顧客中心のサービスで成功を収めてきた企業だ。Amazonファーマシーの成否を占う前に、これに先立つ化粧品業界への参入事例を振り返りたい。

 同社は2022年にアットコスメを運営するアイスタイルと組み、化粧品業界に参入している。今年度中にAmazon.co.jp上でも「@cosme SHOPPING」をオープンするとしており、良好な協業関係を築いているようだ。

 Amazonとの共同で生まれた「@cosme SHOPPING」は、消費者にとって利便性の高いサービスとして評価されており、アットコスメの実店舗施策ともシナジーを発揮している。

 実際に、Amazonとの協業でアイスタイルの株価と業績は大幅に伸びた。同社の売上高は2021年6月期に309億円だったところから、2024年6月期は550億円を見込む。営業利益も2021年の6億円の赤字から、今期には17億円の黒字となる業績予想を発表している。順調そのものといったところだ。

 アイスタイルの株価も提携前は150円台で底を這う展開を続けていたが、Amazonとの提携も追い風となり、現在は440円程度で推移している。化粧品業界とAmazonの協業は大成功だったわけだ。

 しかし、医薬品を取り扱う薬局市場への進出は、化粧品市場とは異なる挑戦を伴う。化粧品は医薬品と比較すると規制が緩やかで、オンラインでの販売も容易だ。しかし、医薬品は厳格な法規制が存在し、特に処方薬の取り扱いには高度な専門知識が要求される。

 そして、法規制ではないところにもネックはある。

●コンビニより薬局が多い日本、オンラインは不要?

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