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「100円セール」をやめたミスド V字回復の裏に3つの戦略あり

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月16日 6時15分

「100円セール」をやめたミスド V字回復の裏に3つの戦略あり

V字回復を果たしたミスドの取り組みに迫る

 ミスタードーナツがV字回復を遂げている。2013年のピーク時と比較して300店舗以上を閉鎖し、事業売上高も500億円台から350億円台まで減少したが、コロナ禍で業績が回復し、再出店を計画している。

 日本上陸から50年以上がたち、少子高齢化も進んでいるが、なぜ今になって回復を果たしたのか。同社の取り組みを見ると、コロナ禍以前からの施策が効果を発揮していることが分かる。

●米国発のブランド さまざまな競合を押さえ、地位を確立

 ミスタードーナツは、エアコンクリーニングで知られるダスキンが直営店とフランチャイズ(FC)店の運営を行っている。元はアメリカ発祥のドーナツチェーンだが、ダスキンの創業者が渡米した際、ドーナツの味に感動してビジネスチャンスになると考え、日本に持ち込んだ。

 1971年に国内1号店を構えたのち、3年後には早くも100号店をオープン。1971年に国内1号店を構えたダンキンドーナツが有力な競合だったが、ミスドの勢いを前に、1998年に日本から撤退している。ちなみに本国である米国にミスドは1店舗しかなく、日本とは反対にダンキンドーナツは9000店舗以上構えている。

 その後、2006年に日本1号店をオープンしたクリスピー・クリーム・ドーナツや、コンビニによるドーナツ販売など、新興勢力の参入に見舞われたものの、ミスドは1000店舗以上を展開する唯一のドーナツチェーンとして日本市場を抑えてきたのがこれまでの歴史だ。

●少子高齢化とカフェの台頭が影響か

 ミスドの店舗数は2013年3月期末の1376店舗で頭打ちとなり、2020年3月期末時点では1000店舗を下回った。業績悪化を前に不採算店の閉鎖を進めたためである。ダスキンのフードグループ事業は主にミスド事業によるものだが、2013年3月期に売上高488億円・営業利益11億円だった同事業の業績は、2020年3月期には売上高362億円・営業利益6億円にまで縮小した。

 ミスドの業績が悪化した要因としては「少子高齢化」と「カフェの台頭」の2点が考えられる。テークアウト主体でファミリー層を主なターゲットとするミスドにとって、子どもの減少はパイの縮小を意味する。また、高齢化に起因する健康意識の高まりが、高カロリーなドーナツから消費者を遠ざけたと考えられる。

 また、都市部では外資系チェーンのカフェが競合であり、ミスドの凋落と好対照に業績を伸ばしてきた企業が多い。特にスターバックスはコーヒーのイメージが強いものの、甘さを求めて飲むフラペチーノ類が充実しており、ドーナツの有力なライバルとなる。

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