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「1000円カット」も今は昔 再値上げもありそうなQBハウスから考える「デフレビジネス」の限界

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月17日 6時15分

 理髪店を頻繁に利用する人は多くないため、1000円が1350円になったところで影響は小さいと考えられる。また「サンキューカット」や「カットファクトリー」という競合がいるものの、首都圏の駅前を押さえているのはQBハウスであり、値上げ耐性は強い。

●デフレビジネスからの脱却が求められる

 ベアなどの施策が功を奏したのか、正社員の離職率も低下しており、同社は人員確保にもめどが立ったとアピールしている。2024年6月期3Q時点で国内店舗は542まで減少したが、今後はこれまでの縮小路線を一転し出店を再開する方針だという。現社長は再値上げも視野に入れており、人員の需給状況次第では1500円、2000円へと値上げするかもしれない。

 なお、同社はQBハウスの他にも「QBプレミアム」を国内で7店舗展開している。価格は店舗によって1800円か2000円で、基本的な内容はQBハウスと同じものの、アプリでの予約が可能な他、スタイリングなどのサービスも付いている。今後QBハウスが2000円近くまで値上げする場合は、こうした付加価値を付けていく必要があるだろう。人手不足が加速する昨今、平成の不景気下で生まれた最低限のサービスを格安で提供する「デフレビジネス」が限界を迎えようとしている。

●著者プロフィール:山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。

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