1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

PayPayはなぜ「デジタル給与払い」に参入したのか メリットとデメリットを分析

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月22日 8時35分

PayPayはなぜ「デジタル給与払い」に参入したのか メリットとデメリットを分析

PayPayが「デジタル給与払い」に参入

 スマートフォン決済サービス「PayPay」を展開するPayPay社(東京都港区)が、デジタル給与払いサービスを開始した。従来の現金や銀行振込に加えて、PayPayの残高として給与を受け取れるようにする新しい仕組みだ。

 PayPay金融事業統括本部金融戦略本部の柳瀬将良本部長は、「給与がデジタルになる、お財布がデジタルになる」と述べ、PayPayが単なる支払手段から「デジタルなお財布」へと進化する転換期にあると説明する。

 このサービスは、多様化する働き方に対応し、より柔軟な給与支払い方法を提供することを目指している。しかし、なぜPayPayはこの分野に参入したのか? そして、このサービスは従来の給与支払い方法とどう異なり、どのようなメリットをもたらすのだろうか?

●PayPay給与受取がスタート

 PayPayは2024年8月9日、資金移動業者の口座への賃金支払(デジタル給与払い)に対応する資金移動業者として、厚生労働大臣の指定を受けたことを発表した。これにより、PayPayは「PayPay給与受取」を提供することが可能となった。

 そもそもデジタル給与払いとは、従来の現金や銀行口座振込に加えて、電子マネーやスマホ決済アプリなどのデジタル口座で給与を受け取れるようにする新しい仕組みだ。

 日本における給与支払いの歴史を振り返ると、1975年に銀行口座での受け取りが可能になり、1998年には証券総合口座での受け取りが認められた。そして2023年4月、ついに資金移動業者の口座、すなわちデジタル口座での給与受け取りが解禁された。

 しかし、デジタル給与払いが可能な事業者は、厚生労働省のガイドラインに準拠し、指定を受けた資金移動業者に限られる。PayPayはこの指定を業界で初めて受けた企業となった。柳瀬氏によると、2023年4月の申請から約1年4カ月を要したという。「開発や検討の範囲が広かった」ことが時間を要した主な理由だという。

 サービスは8月14日よりソフトバンクグループ10社の従業員を対象に開始され、2024年内にすべてのPayPayユーザーへの提供を予定している。すでに3ケタの企業から、PayPay給与受取に関する問い合わせがあるといい、順次対応を進める計画だ。

 従業員は最大20万円までPayPayアカウントで給与を受け取ることができ、それを超える金額は事前に指定した銀行口座に自動送金される仕組みだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください