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ヤンマー、ロボットアニメ本格参入に「勝算」があるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月24日 9時30分

ヤンマー、ロボットアニメ本格参入に「勝算」があるワケ

ヤンマーのオリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』

 ヤンマーホールディングスは7月18日、オリジナルアニメ『未ル わたしのみらい』を2025年春に地上波で放送することを発表した。単発の映像作品ではなく、全5話を予定している。

 同社によるアニメプロジェクトは2023年6月に発表されたもので、米国開催の「Anime Expo 2023」では会場に作品内のロボットを展示し、注目を集めた。アニメを活用し、国内外におけるブランド認知度の向上と、将来のオリジナルIPの育成を図っていくようだ。

 本稿ではこの例を基に、「ツール」としてのアニメ活用について展望したい。

●販促としてのアニメ活用の歴史

 アニメを自社製品のプロモーションに活用する、また、それを目的としたアニメ製作自体は珍しいものではない。昭和の時代から特に子ども向け商品で行われてきた。

 その代表例がガンダムシリーズだ。サンライズ制作の『機動戦士ガンダム』の人気を背景に爆発的に売れたバンダイの「ガンプラ」は、初期ブームの終焉(しゅうえん)後も後続シリーズと連動して商品展開を行い、約半世紀にも及ぶ長寿コンテンツとして今に至っている。

 短尺のCMにアニメを活用することも、古くから行われている。なお、ここでは技法としての「アニメーション」ではなく、CMの主軸に「アニメ」を置いたものを指す。代表例は食品メーカー桃屋の「のり平」シリーズである。同社のアニメCMは1950年代から放送が始まった。

 ヤンマーが一社提供していた「ヤン坊マー坊天気予報」も、正確にはCMではないが、目的は同様だ。オープニングアニメは半世紀にわたって放送され、認知度は高い。この他、新海誠監督による大成建設のCMをはじめ、日清やトンボ学生服など多くの企業が「アニメCM」を活用し、ブランドイメージ向上に取り組んでいる。

●企業によるアニメ活用が進む2つの理由

 アニメ活用が進んでいる背景としては、大きくわけて2つある。1つは「アニメ特有のメリット」、もう1つは「アニメの地位向上」である。

 アニメ特有のメリットとして、俳優やタレントを活用する実写での撮影と比べてコストを抑えられること、出演者の不祥事で放送・配信が不可となるリスクを軽減できることなどがある。

 加えて近年の技術進歩により、アニメ制作の現場にデジタルツールが浸透したことも、コスト・効率の両面から参入ハードルを下げている。

 2つ目の「アニメの地位向上」については、2000年代までアニメは子どもが見るもの、もしくは一部のサブカル好きが見るものとして扱われてきた。この状況が2010年代に入り変わってきている。

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