「8月10日の鳩サブレー」長蛇の列で大反響 暑い日に“数時間”も並ぶのは、なぜ?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月27日 10時15分
鳩の日(8月10日)、鳩サブレーの各店舗で大行列
8月10日――。今年もこの日に「長蛇の列」ができたことを存じだろうか。「鳩の日」の8月10日に、菓子「鳩サブレー」を扱っている豊島屋(神奈川県鎌倉市)が限定グッズを販売したところ、多くの人が詰めかけたのだ。
商品名は「鳩サブレー 1枚入缶セット」(2500円)。グッズの特徴は、鳩サブレーがぴったり収まる専用缶が4つ入っていること。豊島屋が創業130年を迎えることを記念し、缶には鳩サブレーカラー、青、白、赤の4色を用意。缶のふたを開けると、内側に春夏秋冬のイラストが描かれていて、イラストの中には鳩が隠れているのだ。
店舗で購入できるのは、8月10日だけ。しかも、数量限定。オンラインストアのセット(3100円)には鳩サブレー型の缶4つに加え、箱入りの鳩サブレー8枚が付いている(缶の中には鳩サブレーは入っていない)。しかし受注生産なので、配送は10月以降になるそうで。「いますぐにほしい」「長い行列ができていても手にしたい」といった人は店舗に足を運び、数時間待ちの事態が発生したのだ。
記憶に残っている人も多いだろうが、8月10日は暑かった(振り返るまでもなく、8月は毎日のように暑い)。気象庁のデータを調べると、横浜市の最高気温は35度である。鳩サブレーを食べたことがない人や甘いものには興味がない人にとっては、ちょっと信じられないかもしれないが、額から汗がダラダラ流れてきても、購入できるまでじっと待つ。ファンにとって「鳩の日」は、特別のようである。
人気の秘密について、同社の広報担当に聞いたところ「『鳩の日』だけしか購入できないグッズを販売しているので、希少性を感じられているのかもしれません。ただ、年々盛り上がりを見せているので、大きなトラブルが起きないように対応していかなければいけません」とのこと。
●2019年に転機を迎えた
「鳩の日」が盛り上がり始めたのは、2015年のことである。それ以前はどうだったかというと、通常商品の一部を安く販売していた。お得感はあっても、特別な価値を感じさせる要素はなかったといえる。
しかし、10年ほど前から、その日しか購入できないグッズを扱い始めた。2015年に「ポーチ付き 鳩サブレー」(5枚入り、540円)を販売したところ、ファンの間で話題に。その後も、8月10日に限定商品を扱ってきたわけだが、大きな転機を迎えたのは2019年のこと。創業125年にちなんで、「鳩サブレー 1枚入缶」(300円)を販売。多くの人が店舗や百貨店などに出向き、「2~3時間ほど並んで、やっと購入できた」という人が続出した。
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