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“閉店ドミノ”の「ドミノ・ピザ」が、さらに「苦戦」しそうなワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月28日 6時20分

 忘れている人も多いだろうが、この時代のビジネス記事を読み返すと「フードデリバリー市場が活況!」「中食産業が急成長」なんて景気のいい話が並んでいる。それまで日本は欧米ほどフードデリバリーが普及していなかった。それは裏を返せば、「大きな伸び代がある」ということなので、外資系企業がこぞってこの分野に参入したというワケだ。

 ドミノ・ピザも然りだ。「フードデリバリーという文化が広まってきた今が攻め時」と言わんばかりに、これまでだったら採算が取れないような地域に積極的に出店。あれよあれよと2021年に800店舗を超え、ピザチェーンとして初めて全国47都道府県を制覇すると、翌2022年には900店舗、2023年には1000店舗を突破した。

●オープンしたばかりなのに……

 ただ、ご存じのように、日本人は熱しやすく冷めやすいところがある。

 確かに、コロナ禍でフードデリバリーという新しい習慣も広まってきた。しかし、一方でコロナ禍が終われば「ああ、そんなこともあったね」とこれまでの日常にサクっと戻る人がかなりいるのだ。

 つまり、コロナ禍ではそれなりにピザの宅配を利用した人も、家から出て近所の飲食店で食事をしたり、コンビニやスーパーに行って総菜や冷凍ピザを買ったり、という「コロナ禍前の行動」に戻ってしまうのである。こうなると「攻めの出店」をしたところほど、不採算店となってしまうことは言うまでもない。

 今回の「閉店ドミノ」の対象となった店の中には、「2022年にオープンしたばかりなのにもう閉店しちゃうの?」と地域住民が戸惑うようなケースもあるのだ。

 このような話を聞くと、「ドミノ・ピザはうまいし安いから、不採算店の整理をしっかりすれば順調に2000店舗に到達するはずだ」と思う人もいらっしゃるかもしれない。

 個人的にはドミノ・ピザをよく利用するので、ぜひそうなっていただきたいと思うのだが、その道は決して容易ではない。「宅配ピザキラー」ともいうべき新しいプレーヤーが、ドミノ・ピザの成長を阻(はば)むことが予想されるからだ。

●大手コンビニが「宅配ピザ」に参入

 それは、セブン-イレブンだ。

 ご存じの方も多いだろうが、セブンが「宅配ピザ」に参入する。

 といっても、店内でイチからピザ生地をこねたりするわけではなく、冷凍のピザをオーブンで焼いて宅配するというもの。今のところピザは2種類で「マルゲリータ」(780円)と「照り焼きチキン」(880円)。

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