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羽田空港連絡鉄道の現在と未来 最も近い大田区の行方は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月29日 7時10分

 しかし、JR東日本の計画によれば羽田空港駅は島型プラットホーム1面の両側に線路を配置する。京急電鉄の羽田空港第1・第2ターミナル駅も同様の形だ。列車の運行は1時間当たり片道12本が限界のようで、後述のように引き上げ線を使って15本とする。

 JR東日本は15両編成という長い列車を使う。列車が長くなると、分岐器の通過時間も長くなり、運行間隔が長くなる。それでも国が「16本以上発着」とするならば、こちらも引き上げ線を設置するか、2面4線への拡大を見込んでいるかもしれない。

●JR東日本「羽田空港アクセス線」臨海部ルート、西山手ルート

 2024年7月24日、NHKは「JR東日本 羽田空港アクセス線臨海部ルート 2031年度開業目指す」と報じた。予定ではなく、目標だ。実現すれば東山手ルートと同時開業となる。

 臨海部ルートは、羽田空港から東京貨物ターミナルと東京臨海高速鉄道りんかい線経由で新木場駅に結ぶ。羽田空港駅と新木場駅の所要時間は約20分だ。

 りんかい線はもともと国鉄時代に貨物線として京葉線と一体的に建設された。終点は東京貨物ターミナルだ。しかし貨物列車の減少によって京葉線を旅客線に転用し、新木場から東京駅地下を結んだ。

 残された新木場~東京貨物ターミナル間を転用して第三セクターの東京臨海高速鉄道が設立された。その名残として、りんかい線の車両基地が東京貨物ターミナルに隣接している。羽田アクセス線とりんかい線の線路をつなぐだけだから、工事費は3ルート案で最も低い。

 さらにいうと京葉線の一部だったから、京葉線とも線路がつながっている。京葉線に直通運転すると、東京ディズニーリゾートがある舞浜駅や、幕張メッセがある海浜幕張にも直通できる。海外からの観光客、出張客にも魅力的な路線だ。

 ただし、京葉線に直通するためには、運賃の経由問題の解決が必要だ。例えば、東京駅から羽田空港駅で乗り換えて舞浜駅で降りた場合、IC乗車券は全区間京葉線経由と判断するため、りんかい線側に運賃が入らない。東京駅と舞浜駅であれば羽田空港駅のほうが遠回りだから選択肢に入らないけれども、新宿方面と舞浜方面で、りんかい線経由か東京駅乗り換えか判別できなくなる。

 運賃問題が解決しない限り、臨海部ルートは新木場で打ち切り。改札機を通っていったん精算して京葉線に乗り換えてもらう。事情は分かったとしても、実際に線路はつながっているわけで納得しがたい。

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