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羽田空港連絡鉄道の現在と未来 最も近い大田区の行方は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月29日 7時10分

 西山手ルートもりんかい線を経由し、大崎から埼京線に直通して新宿・大宮方面を結ぶ。羽田空港駅~新宿駅間の所要時間は約23分だ。

 りんかい線経由という部分は臨海部ルートと同じだけれども、りんかい線の車両基地の分岐が新木場方向しかない。大崎方面へ向かう回送列車は東京テレポートでスイッチバックできる。しかし、羽田アクセス線直通列車が日中に高頻度でスイッチバックを行うと、りんかい線の運行に差し支える。

 そこで、車両基地から大崎方面へ新たな分岐線トンネルをつくる。この部分の検討が必要になるため、開業時期は未定のままだ。

●京急電鉄空港線羽田空港第1・第2ターミナル駅の引き上げ線

 京急電鉄空港線羽田空港第1・第2ターミナル駅は折り返し型の駅で、プラットホームは1面で両側にプラットホームがある。蒲田側の線路に両渡り型の分岐があり、列車が到着するとき、あるいは出発するときのどちらかで分岐を渡るから、一時的に上り線と下り線の両方をふさぐ。この時、2列車の発車と到着は同時にできない。

 この問題を解決する方法が「引き上げ線」だ。蒲田側の反対側に線路を延長し引き上げ線をつくる。到着した列車はプラットホームで引き返さずに、いったん引き上げ線に入り、分岐を使って発車用プラットホームに入る。つまり、交差地点を前から後ろに移設する。分岐を使うところは同じだけれども、分岐通過を待つ電車は回送車同士だから、到着する列車や発車する列車の進行を妨げない。

 現在、最大で1時間当たり片道12本が発着しているところ、さらに3本を追加して15本にできるという。京急電鉄が2024年5月に公開した経営計画によると、2030年頃に供用開始になる予定だ。

 引き上げ線建設工事は2022年8月に始まった。トンネル躯体など鉄道基盤施設は国が整備し、線路やプラットホームは京急電鉄が整備する。これはJR東日本の羽田空港駅と同じ手法だ。京急電鉄は加算運賃を得た自費工事、JR東日本は国負担。そんな不公平の見返りかもしれない。

●大田区民の期待を集める「新空港線」

 私は子どもの頃、昭和40年代に羽田空港のある東京都大田区の東急電鉄沿線に住んでいた。当時、羽田空港こと「東京国際空港」は便利な空港ではなかった。池上線や目蒲線(現・東急多摩川線の一部)で蒲田駅まで来ても、そこから羽田空港へ向かう鉄道路線はない。それは今も変わっていない。東京モノレールは遠回りだった。これは大田区に限らず、川崎や横浜方面からも同様に不便だった。

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