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BTS、SEVENTEEN参加の1.5億DL超“推し活”アプリ「Weverse」 LTV向上の秘策は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月7日 10時49分

 「ライト層もコアなファンも両方が楽しめる工夫をしました。屋外会場のディスカバリーパークでは、前方に立てば、目の前のステージのパフォーマンスに没頭し、叫びながら盛り上がれます。後方なら芝生の上に座って、何か食べながらリラックスして音楽やフェス自体を楽しむことも可能です。屋外ゆえに解放感のあふれる演奏に聞こえますが、夜の部のアリーナでは、室内会場ならではの迫力あるサウンドを聞いてもらえたと思います」

 アプリを開発するテック事業としては、フェスで音楽を楽しんでもらいつつWeverseにより親しみを持ってもらうことが開催の趣旨だったはずだ。

 「その通りです。Weverseのサービスを使ったとき『利用してよかった』『使いやすい』『コンサートも楽しかったけど、Weverseを使ったおかげでもっと楽しめた』など、アプリを通じて楽しさを提供できるかどうかが課題です」

 Weverseでは、コンサート会場の物販で長時間並ばなくても、アプリを通じて受取時間を予約できる「Weverse PICK-UP」という会場受け取りシステムを提供している。

 同社によると、5月に日本で開催したSEVENTEENのスタジアムツアーでは、4日間で38万人を動員する規模で、公式商品の受け取りのためにWeverse PICK-UPを導入。日産スタジアムでは商品を受け取る列で10分以上待つことはなく、受け取りのためのQR表示をしてから退場までは約1分で進行したという実績があるという。

 データや情報を有効活用できるかどうか。これはテック事業ならずとも、あらゆる事業にとっての課題だ。

 「当組織にはエンジニアが150人ほど在籍し、その中にデータ分析のチームがあります。例えば、Weverseの全体的なユーザー属性を分析し、日本のアーティストがWeverse Conのようなイベントに参加すると、韓国に限らず多数の国と地域からの登録者が増える、などといった傾向が分かります」

 アーティスト側も、自身のファンのコミュニティー(=ファンダム)の傾向を知ることができる。一定の国からの加入者が多いアーティストがおり、それを踏まえて当該国でコンサートを開催したという。ファンのLTV向上につなげることができた好事例だ。

 「ファンの変化を確実に捉え、さらに登録者を伸ばすための方策を考えるのです。アーティストに対しても、より使いやすいシステムにしていくのが私たちの義務です。現在、その作業中です」

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