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日本から「BTS」は生み出せるか? 世界で戦えるエンタメビジネスの育て方

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月24日 7時0分

水野: 日本のベンチャー企業には、どんな特徴が見られますか?

安元: 私がNTTドコモ・ベンチャーズに戻ったときに感じたのは、ベンチャーエコシステムが成長を遂げてきているということです。特に、創業からEXITを経験した起業家が、シリアルアントレプレナー(連続起業家)として活躍しているのが目立ちます。

水野: ベンチャーエコシステムが進化したのは僕も実感があります。他に、特徴的なことがあれば教えてください。

安元: DAY1(創業日)からグローバルを見据えた事業をしていることですね。少し前のメルカリもそうでしたが、近年はグローバルを目指す野心的なベンチャー企業が増えているように感じます。われわれの戦略と合致すれば、当社からの出資も積極的に検討したいと思っています。

●「日本はいろいろなことを複雑にしがち」

水野: 「テック×エンタメ」の領域において、テクノロジーの部分は米国や中国が先行しているのかなと思います。ただ個人的には、エンタメを突破口にすれば、日本から世界に出ていく可能性は大いにあると考えています。NTTドコモ・ベンチャーズの視点で、日本のエンタメが世界に広がっていく可能性はあると思いますか?

安元: 日本のIPは強いので、ポテンシャルからすれば、韓国のBTSのような事例も作っていけるはずです。ただ日本国内はそれなりにマーケットが大きいので、グローバル展開するモチベーションが上がらないのは残念ですね。ある程度はビジネスを回せてしまうため、保守的になってしまうのでしょうか。

水野: 「ある程度」というレベルでとどまってしまうのは本当にもったいないことです。

安元: 先ほども話しましたが、「DAY1からどこを目指していくのか」が重要です。海外展開はハードルも高いですが、日本のIPは海外ファンも多い。電子書籍サービスなどは海外向けプラットフォームサービスも検討すべきと考えています。国内IPのグローバル展開を後押しできる存在でありたいですね。

水野: 韓国ではタレントとキャラクターがセットになったり、ドラマやWebtoonとの連携が進んだりしています。日本はそれぞれの業界において慣習の違いや各企業の強いこだわりがあるので、連携するのがなかなか難しい。一方でIPやエンタメに対してフラットな立場のNTTドコモであれば、いろいろな企業をつなげる役割を担えると思うのですが、いかがでしょうか?

安元: 私たちがその役割を果たせるなら本望です。いろいろなマネタイズの手段を検討しながら、いかに顧客接点を作るのか。BTSのケースが正解かどうかは分かりませんが、実際、彼らから学ぶことは多いと思います。

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