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人気ドラマはどこで撮影しているの? 知られざる「ロケーションビジネス」の世界

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月7日 8時15分

 「ほ~、人気ドラマばかりだなあ」といった声が聞こえてきそうだが、ここで紹介したのはほんの一部だけ。同社が2023年に携わったのは1100本ほど。もちろん、ドラマだけでなく、映画、CM、ミュージックビデオ、写真、YouTubeなど、1日3本ペースで撮影に関わっているのだ。

 それにしても、どういったきっかけでこのビジネスを始めたのか。デイ・ナイトの事業を見ると、ビル管理、イベントホールの運営、飲食店のコンサルティングといった言葉が並んでいる。ロケーション事業はその中のひとつになるわけだが、きっかけは同社が管理する「グランパークタワー」(JR田町駅から徒歩5分ほど)に入っていたテナントが退去したからである。

 なにも使わなければもったいないので、ロケーションを誘致するのはどうか。使用料が入れば、少しでも収益が上がるのではないかと考えたのだ。とはいえ、経験もなければ、知識もない。当時、親会社のNTT都市開発がロケ誘致を手掛けていたので、基本的なことを教えてもらうことに。

 で、結果はどうだったのか。1年目に10本ほどの誘致に成功する。2年目は前年の10倍、3年目は同3.5倍ほどに成長したのだ。景気のいい話を聞くと、同業者はこのようなことを考えるのではないか。「え、そんなにもうかるの? ウチも始めてみようかな」と。しかし、それほど甘い世界ではないようだ。

●事業成長のカギは「2つ」

 デイ・ナイトでロケーション事業を担当する久須美武志さんに聞いたところ、事業成長のカギは「2つ」あるという。1つめは「いい施設を持っているかどうか」である。先ほど紹介したグランパークタワーでいえば、ビルの開口部が広く、クルマ寄せのスペースがある。エントランスは広いし、地下には駐車場もある。屋上にはヘリポートがあって、そこから東京タワーが目に飛び込んでくる。しかもタワーを支える4本足がきれいに見えるのだ。

 こうした条件がそろっているビルは少ないので、「ウチのビルでも映画を撮影してほしい。来てくれないかな?」と訴えても、なかなか誘致が難しい現状があるようだ。

 いいビルを管理していることが「ハード面」だとすると、もう1つの理由は「ソフト面」である。映画やドラマの制作者たちは、いわゆる“業界の人”である。時間に追われているとビルの中を走ることがあるし、遠くの人に指示を出すときに大きな声を出すことも。服装はスラックスにワイシャツではなく、短パンにTシャツである。

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