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「ガリガリ君」はなぜ国民的アイスになった? 赤城乳業が明かした「人気フレーバートップ5」 課題は海外市場の開拓

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月4日 9時44分

 狙い通りにヒットした赤城しぐれだったが、1970年代に起こったオイルショックの影響でコスト高が襲い、1個30円から50円に値上げを実施。競合他社は値上げを踏みとどまったため、値上げした赤城しぐれの売り上げが激減し、経営は危機的状況に陥った。

 会社のピンチを打開すべく、新商品の開発がスタートした。「子どもが遊びながら片手で食べられる、かき氷を作れないか」といった考えから、新タイプのアイスキャンディー・ガリガリ君の着想に至ったという。

 当初のガリガリ君は、かき氷を固めたバーの商品として販売していた。しかし、店頭に並ぶまでに、パッケージの袋の中で、かき氷がバラバラになってしまう問題があった。そこで、その問題を解決するアイデアとして、外側の薄いアイスキャンディーで、内側にあるかき氷を包む、二重構造となった商品にバージョンアップ。このような技術革新により、1981年に現在のガリガリ君の姿になったとのことだ。

●2000年に1億本を突破 人気の秘訣は「消費者との共同作業」

 ガリガリ君の販売数は、2000年に1億本を突破。2007年には2億本、2010年に3億本、2012年に4億本と、着実に人気を拡大してきた。現在はシリーズ全体で約4億本とのことなので、高い水準で安定しているといえる。単純計算で、日本国民1人当たり、年間4本弱を食べていることになる。売れる季節としてはやはり夏が強く、毎年7~8月が売り上げのピークだ。

 では、ガリガリ君はなぜ、このように長らく人気を保っているのだろうか。同社の広報は「お客さまの日常生活で愛される商品として、お客さまとともに育ててきたという面がある」と説明する。

 例えば、2000年に消費者調査から挙がった意見を基にして、キャラクターの大幅リニューアルを実施。従来のキャラクターに「泥臭い」「レジに持っていくのが恥ずかしい」などと、厳しい意見が相次いだからだ。そうして、現在のように元気で愛嬌(あいきょう)のある、「ニューガリガリ君」が誕生した。

 また、子どもの頃にガリガリ君を食べていた大人世代に、もう一度手に取ってもらえるよう、2006年に「ガリガリ君リッチシリーズ」を販売開始。価格は少し上がるが、乳製品や菓子素材などを使ったワンランク上の製品を提案した。

 特に、2012年に発売した「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」は、顧客からの「ガリガリ君にはもっと面白いチャレンジを期待している」という熱いエールをきっかけに開発をスタートした商品だ。フレーバーの奇抜さが、発売前からSNSで話題となり、発売するや否や売り切れて生産が追いつかなくなり、3日で販売休止する事態に追い込まれたほどのヒットを呼んだ。その後も、メロンパン味、ナポリタン味、たまご焼き味などといった、他社では決して商品化しないユニークなフレーバーを連発している。

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