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「今買わないと後悔しますよ」 客を萎えさせる「店員の声かけ」はこれだ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 8時5分

 最後は「共感性」です。

 「辛いものがお好きな方でしたらこちらのお料理がおすすめです」「お仕事中の肌寒い時などに羽織れるのでこちらのカーディガンはいいですよ」「シワになりにくい素材を使っているので、アイロンが面倒くさい方にはおすすめです」といった、相手の好みやライフスタイルに合わせたフレーズが購買意欲を高めることが、著者インタビューから分かりました。

 顧客の現在の気持ちや状況を理解し、相手が共感できるような言葉を投げかけることで、顧客は自分がそのアイテムを利用するシーンが具体的に想像しやすくなり、購買意欲を高めるようです。

 また、共感性を示すことで、顧客にとっては単なるセールストークではなく、個々の購入者に合わせた接客だと感じてもらえるようで、店員と顧客のコミュニケーションがより円滑になるようです。

 ただし、共感性を引き立てるためには、店員のコミュニケーションスキルが重要で、簡易的な声かけではなく、顧客が抱える問題やニーズを正確に把握した上で、共感性の高いアドバイスや提案をする必要があります。

●「購買意欲が下がる」声かけの特徴とは?

 購買意欲の下がる言葉が持つ要素として、まずは「主観的」だということがあげられます。

 「私も同じ商品を買いました」「私だったら、これを選びます」「今買わなかったら後悔するかもしれません」といった、店員の意見を強調した声かけは、顧客にとって具体的な判断材料に乏しく、店員の押し付けがましさを感じやすいため、購買意欲を下げる要因となり得るようです。

 特に「私」「私的には」といった表現は、店員自身の視点に基づいたものであり、顧客のニーズや期待に応えられていない可能性が高いようです。顧客が求めているのは自分自身に適した商品情報であり、店員の主観的な意見がそれを満たすとは限りません。

 そのため、顧客に商品を選ばせる際には、客観的で具体的な情報提供が重要となります。つまり、顧客に対しては自身で判断する機会を与え、その選択を尊重する姿勢が求められます。よって、購買意欲を高めるためには、顧客中心の視点に立った、具体性と客観性を持つアプローチが不可欠のようです。

 続いて「認識の齟齬」が挙げられます。

 「少し量が多いですがよろしいでしょうか」「時間がかかりますがよろしいでしょうか」「そちら店頭に出している商品のみで……」といった表現も、顧客にとっての購買意欲を損なう要因となり得るようです。

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