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業界20年以上の筆者が解説 「人材育成の道しるべ 」コンピテンシーマップの作り方

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 12時55分

 基本的に人事制度上で定義されている階層をそのまま用いれば大丈夫ですが、育成の観点から階層の幅が広すぎたり、狭すぎたりする場合は調整が必要となります。今回の記事ではイメージが付きやすいよう「課長」「部長」の2つを例に挙げます。

 そして階層を設定できたら1つのコンピテンシーカテゴリーを設定し、それぞれの階層ごとで定義づけしましょう。例えば、企業全体で一貫した育成方針を打ち出していくべく「リーダーシップ」というコンピテンシーを設定するとします。その上で、各層で求められるレベル・種類を言語化していきます。前の例をもとに話を進めると、課長層のリーダーシップはいわば「理感一致のリーダーシップ」と置くことができます。というのも課長層では「組織と個人を結び付け、各メンバーのやりがいを引き出すことで職場をけん引する能力」が求められるためです。日々の業務を通じて部下との信頼関係を築き、それぞれの個性を尊重しながらチーム全体を動かしていくリーダーシップが必要なのです。

 一方、部長層に求められるリーダーシップは「変革のリーダーシップ」、現在・未来の問題に対して先んじて警鐘を鳴らし、変革に向けて組織をけん引する能力が求められます。部長は部門全体を見渡しながら、未来に向けた戦略を立て、組織を変革していく力が重要なのです。

 このように階層ごとに各コンピテンシーで求められるレベルを定義づけすることで、各社員の成長段階に応じた具体的な目標を持つことができます。階層を超えてリーダーシップを重視しつつも、各階層で期待されるリーダーシップの質に差異を設けられるのです。

 続いて横軸には企業の理念や価値観を反映したコンピテンシーカテゴリーを設定します。ここでは、自己成長(ジブン領域)と事業の運営・成長(コト領域)、そして人と組織の発展(ヒト領域)の3つの側面からバランス良くコンピテンシーを定義する必要があります。

 例として、当社内の整理として作成した図をご覧ください。それぞれの領域ごとに会社として目指していきたい理念を掛け合わせ、各項目を設定していきます。

 例として、一番イメージが付きやすいであろう「ヒト:対人影響力」のチームワークの列を参照ください。最終的なゴールを「社外のビジネスマンとの連携」と置いたときに、社内コミュニケーションでどのようなステップを踏んでいくのが良いのか、といった部分を段階的においています。

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