日立、生成AIサービスを本格化 Lumadaとのタッグで何が変わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 19時53分
日立製作所 Generative AIセンターの吉田順センター長(撮影:河嶌太郎)
日立製作所が生成AIサービスを本格的に開始する。8月29日には都内で報道機関向け勉強会を開き「業務特化型LLM構築・運用サービス」と「生成AI業務適用サービス」を10月1日に提供すると発表した。
日立は、ChatGPTのような汎用の生成AIとは異なり、顧客のニーズに応じた特化型のLLMを提供する。サービスの総称は「生成AI活用プロフェッショナルサービスpowered by Lumada」で、日立が掲げるDXブランド「Lumada」の一つと位置付けている。
日立がLumada事業を立ち上げたのは2016年。現在NECや富士通などの各社がDXブランドを掲げているが、それらに先駆けて始動していた。
Lumadaに生成AIを乗せることによって何が変わっていくのか。勉強会ではGenerative AIセンターの吉田順センター長と、生成AIアプリケーション&共通基盤室の元山厚室長がプレゼンした。
●人手不足に対処 日立独自の強みとは?
日立は、デジタルテクノロジーを駆使した社会課題の解決と「Society 5.0」の実現を目指している。今後、見込まれる社会課題の例としては、2040年には建設後50年以上が経過する施設が増加。加えて国内の労働供給人口が1100万人不足するなどの予測が立つ。2050年には、生産年齢人口が5275万人(2021年から29.2%減少)に減少する一方で、高齢化率は37.7%に増大(2021年から8.8%増加)する見込みだ。
日立はこうした将来起こり得る社会課題を解決するために、Lumadaを軸にしたデジタルソリューションを展開している。特に深刻なのが人口減社会による人手不足だ。日立はグループ一丸となった「One Hitachi」で課題解決にまい進している。
日立の強みはOT(Operational Technology)にある。OTとは工場や発電所などに使われる、物理的なシステムや設備を最適に動かすための制御・運用技術の総称で、インターネット社会が到来する前から日立が基幹事業としている技術だ。そこにPCやソフトウェアなどITを組み合わせることによって「IT×OT」という日立独自の強みを発揮する。その強みを生かしてデータから価値を創り出すのがLumadaであり、今回は生成AIを取り入れることによって、動きを加速させる構えだ。
「日立グループには、約27万人の従業員がいます。この27万人が生成AIを日々活用していくことによって、ナレッジを蓄積させています。このナレッジを顧客に提供していくことで、人材不足などの課題解決に取り組む狙いがあります」(吉田センター長)
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