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ドムドムの「どむぞうくん」快走が続く 売り上げ構成比「7%」の衝撃

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月17日 13時15分

 この年、社長に就任した藤崎忍さんは、どんなことを始めたのか。アパレルブランドと協業して、「どむぞうくん」のロゴが入った洋服をライセンス販売した。なぜハンバーガーチェーンとアパレルがタッグを組んだのかというと、冒頭で紹介したように「長い歴史」が関係している。

 店舗数がどんどん減っていく中で、残っている店は「歴史」があるところばかり。リピーターが多いのはうれしいことだが、逆に言うと、客層が“固定化”していることになる。新しいお客にリーチするにはどうすればいいのか。尖った商品で話題を集めただけでなく、ロゴをPRすることでファンとのコミュニケーションを図ったのだ。

 本格的に「どむぞうくん」にチカラを入れ始めたのは、2020年のことである。いや、「本格的」に始めることになったきっかけは「結果論」であって、たまたまの要素が強い。

 新型コロナの感染が広がったことを受け、日本中からマスクが消えた。同社は「スタッフの健康を守らなければいけない」ということで、「どむぞうくん」のロゴが入ったマスクをつくって配った。自社のスタッフだけでなく、「おすそ分け」という意味でお客にも販売したところ、SNSで話題になったのだ。

 つくっても即完売、つくっても即完売。そうした状況が続き、結果的にこのマスクは17万枚も売れた。想定外の事態をきっかけに自社のECサイトを立ち上げ、グッズ販売にチカラを入れることに。2024年3月期を見ると、ECを含めた物販事業の売り上げは全体の約7%を占めるほどになっているのだ。

●ハンバーガーのサンプルも「完売」

 「どむぞうくん」のマスクが想定以上の反響があったことを受け、社内で「お客さまは、こんな商品を望んでいるかも」「ファンを増やすには、あんな商品があればいいよね」といった視点で企画が進み、グッズがどんどん増えていく。

 商品をつくっていく中で、他社から声がかかるようになってきた。「『どむぞうくん』をつくって、なにか一緒にやりませんか?」と。結果、モバイルバッテリーもあれば、イヤフォンもあれば、ガチャもある。

 反響が反響を呼んで、ファミリーマート限定カラーの「どむぞうくん」が登場したり、100円ショップのセリアでグッズを販売したり。いずれも好調のようで、藤崎さんは「プライベートで購入しようと思って、お店に行ったのですが、買えませんでした」とのこと。

 毎月のように新商品が登場する中で、これまでどのくらいのグッズを販売してきたのか。同社の広報担当者に尋ねると「ちょっと数えられないほど販売していまして。協業のアイテムを含めると、軽く1000は超えていますね」という。たくさん販売していると「これはちょっと売れないのでは」といったモノが登場することも。例えば、ドムドムで販売している(または販売してきた)商品を再現したグッズがある。

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