1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「100円マック」も今は昔 値上げしたマクドナルドなぜ好調? コスパ重視の客には500円台のセットで対応

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 6時15分

 マックチキンは「チキンフィレオ」と同様にチキンパティを挟んだバーガーだが、重量は138グラム。183グラムのチキンフィレオより軽く、大きさも一回り小さい。カロリーもおよそ100キロカロリー少ない。マックチキンにポテト・ドリンクのMサイズが付いたバリューセットは500円~であり、680円~という設定のチキンフィレオセットより200円程度安い設定だ。“下位互換”の商品を生み出すことで、500円台の低価格需要に応えている。

 ちなみに、ちょいマックは以前に提供していた「おてごろマック」に代わり、2020年に誕生したもの。マックチキンも以前の「チキンクリスプ」に代わる形で、1月から販売している。外食各社が値上げを行う昨今、500円台で食事をできる場所は少なく、ちょいマックは他業態からの客寄せにも貢献していると考えられる。

 朝マックや夜マックを構成することで、マクドナルドは以前より昼以外の需要を開拓してきた。昼に客が集中するモスバーガーやケンタッキーといった業界の競合とは対照的である。そして近年ではマックカフェで夕方時間帯やカフェ需要を開拓しようとしている。さらに安いセットメニューにより、他業態の飲食店よりもお得感のある商品構成に成功している。このように時間帯や業種の垣根を超えた施策に取り組んでいることが、同社の戦略を見るとよく分かる。

 一方で、メニュー数を増やせばオペレーション面での負担になり得る。しかし、マクドナルドはモバイルオーダーを導入することで混雑を解消し、レジ要員の負担軽減にも取り組んでいる。カウンターの外から見ても分かるが、クルーの作業も洗練されている。商品構成で全時間帯需要の底上げに成功しているマクドナルドだが、ソフト面があってこその施策であり、競合は容易に真似できない。業界では売上高・店舗数ともにダントツのマクドナルド、その牙城は今後も崩れそうにない。

●著者プロフィール:山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください