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富士急ハイランドの観客が1.4倍に ドローンショーの「裏側」を聞いてきた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月23日 7時20分

●「集客」や「広告」に効果的

 山本氏によれば、ドローンショーの使われ方は「興行」か「広告」のいずれかだという。同社では2年ほど前までは興行の依頼がほぼ100%を占めていたが、近年は興行と広告が半々の割合になってきている。4~5年前と比べて予算が3分の1ほどに下がり、現実的な選択肢になってきている背景があるようだ。

 「まだ実際にドローンショーを見たことがない人が多いので、ドローンショーを開催することで確実に集客効果が得られ、売り上げ増につながりやすい強みがあります。マーケティング施策として実施した場合は、広告がポジティブに働く点がメリットといえます」

 例えば、富士急ハイランドでは、2024年8月に開業60周年を記念した「ドローン&花火ショー」を500機を使って実施した。開催したのは6日間で、4人まで利用できる2000円の有料観覧席を用意して満員御礼に。期間中の観客数は前年同期比で140%を超えた。好調を受けて、9月にも合計5日間のドローンショーの実施を決定した。

 八景島シーパラダイスでは、2023年のクリスマスと年末時期にナイトイベントとして、1000機を使ってドローンショーを実施した。観覧チケットは4300円~(水族館の入場料金は別、Xmas特別公のみ6500円~)で人気アニメの「ウルトラマン」「エヴァンゲリオン」「鬼滅の刃」とコラボ。満員御礼とまではいかずとも、興行として成り立つ兆しが見えたという。

 また、2024年8月に江の島海水浴会場協同組合が開催した「江の島マイアミビーチショー夏花火」では、500機のドローンでクラゲやイルカの輪くぐりなどを表現。スポンサー企業であるアサヒビールの新商品「未来のレモンサワー」も再現し、来場した約5万6000人が鑑賞した。

 以前は音声での企業紹介にとどまっていたが、ドローンショーを実施することで視覚的な広告が可能になった。このようにスポンサーメリットが明確になる点も、ドローンショーが選ばれる一因となるようだ。

 「ドローンショーで表現する商品やロゴは、視聴者にとって通常の広告よりもユニークに映る点が魅力です。ショーの様子を写真や動画に撮影してSNSに投稿する方が多いのですが、それを見た方にも広告がポジティブに働く作用が見られます」

●中国が市場を牽引、世界記録は8100機

 ドローンショー市場は世界的に拡大しており、グローバルで市場を牽引しているのは中国だという。調べてみると、中国のドローンショー市場はここ数年で急速に伸長しており、世界の約48%を占める規模になっている(QYResearch調べ)。9月4日には、中国の高巨創新(HIGH GREAT)社と日本のレッドクリフ社(港区)を含む世界5カ国のドローンショー企業が協業して、ドローンショーのギネス世界記録(以下、世界記録)を達成している。

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