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各社が進める「小型店舗」 コンビニと飲食チェーンで明暗が分かれそうなワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月26日 6時15分

 無人決済コンビニは全体の30~40%を占めるレジ回りの業務を削減する効果があるという。2024年度までに1000店舗という目標にはほど遠いが、地方を中心に年間10店舗程度のペースで出店を進めている。

 無人決済コンビニの目的は工場やオフィスなどの小さな商圏、いわゆるマイクロマーケットの開拓だ。会社の福利厚生を軸に出店するセブンのコンパクト店舗も同じ目的といえる。ミニストップも同様の「ミニストップポケット」を出店しており、コンビニ業界ではマイクロマーケットの開拓が潮流となっている。

●ファストフード各社が取り組むも、本格化せず

 ファストフード業界のマクドナルドも、同様に小型店を展開している。別館を意味する「ANNEX店」として開店。厨房とカウンターのみを設置したデリバリー・テークアウト専門店で、イートイン席は設けていない。一方でメニュー数は絞り込まず、通常店と同様のラインアップを提供する。

 かつてマクドナルドは「サテライト店」という名でメニュー数を制限した小型店を展開していたが、メニューの少なさが弱みになっていたため、ANNEX店では制限しないことになったという。とはいえ2023年9月に2号店として糀谷駅前ANNEX店を開店した後の開店情報はなく、下火になっている。

 ケンタッキーはコロナ禍の2021年11月に「ミニドライブスルー店舗」を開店した。ドライブスルー以外に店内レジも利用可能で、客席は設けないデリバリー・テークアウト専門店である。店舗面積と従業員数はともに既存の郊外型店舗の7割程度で済むという。ただしこちらもマクドナルドのANNEXと同様、下火になっており、2023年度までに129店舗という目標には至っていない。もともとイートイン比率の低いファストフード業態において、客側から見たデリバリー・テークアウト専門店のメリットは小さいのかもしれない。

 ちなみに吉野家もテークアウト・デリバリー専門店を展開している。50平方メートルの店舗面積は従来店の半分程度で、初期投資額も半分以下である。主に商店街の路面や角地に出店しており、現段階で40店舗程度であり、こちらも本格的な展開には至っていないようだ。

●タリーズが意欲的だが、なかなか広がらない

 カフェ大手のタリーズは2023年6月から「タリーズコーヒーセレクト(TULLY'S COFFEE -SELECT-)」という名の小型店を展開している。神戸・三宮の1号店は面積約87平方メートル、席数23と従来店の半分程度だ。現在は7店舗展開しており、ニュウマン新宿店に至っては数席置いてあるだけでテークアウトが主体である。セレクト店はメニュー数を少数に絞り込み、フードはサンドイッチ類に限定、厨房が必要となるパスタは置いていない。人通りの多い駅ナカや商業施設内に出店しているのが特徴といえる。

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