各社が進める「小型店舗」 コンビニと飲食チェーンで明暗が分かれそうなワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月26日 6時15分
セレクト店の成否についてはスターバックスの取り組みが参考になるかもしれない。スタバは2010年代からメニュー数・店舗面積を抑えた小型店を出店してきた。駅ナカの角地を利用した狭い店舗が目立つ。そして2017年にはテークアウト専用店を秋葉原駅の構内に開店した。ただし同店舗はコロナ禍の影響か2021年に閉店している。現在開店しているスタバのテークアウト専門店はグランスタ丸の内店などが挙げられるが、本格展開に至ってはいない。
カフェはサードプレイスとしても機能しているためテークアウト主体では難しく、ある程度の席数が必要である。安いコンビニコーヒーが進化している昨今、カフェが提供するとはいえ座れない店のメリットは薄れつつあるのではないか。
●飲食店の「小型店」は消費者にとってメリットが少ない
コンビニ、ファストフード、カフェと各社が展開する小型店を見てきたが、コンビニに関してはマイクロマーケットを開拓する余地がありそうだ。大規模な工場や高層ビルで今後増えていくかもしれない。
しかしファストフードやカフェ業態では難しいだろう。ファストフードはもともとテークアウトやデリバリーの比率が高く、専用店ができたところで消費者への訴求ポイントが少ない。カフェ業態に関しても、持ち帰り主体であれば前述の通りコンビニという強敵がいる。
何より小型店は規模が小さい分、目立ちにくいというデメリットが大きい。路面店ではなく施設内店舗が多いのもそうした背景があるとみられる。コンビニの小型店は「外まで出るのが面倒」というニーズに応えているのに対し、飲食業態ではそうした場面はなく、出店コストが低いという企業側のメリットしかない。消費者にとってのメリットが少ない小型店、新たな型として定着しないだろうと筆者は考えている。
●著者プロフィール:山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
サイゼがじわじわ「メニュー数」を減らす本質理由 ファミレス衰退のなか、ファストカジュアルに移行?
東洋経済オンライン / 2024年10月6日 10時0分
-
モスが始動「5年で100店舗」狙う新業態の"懸念点" 駅ナカにジューススタンド、味も普通に良い、が…
東洋経済オンライン / 2024年10月5日 9時40分
-
モスの「ドリンクスタンド」が好調 あえて“狭い”店舗にチャレンジするワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月26日 8時0分
-
ミスド、初の無人決済テークアウト専門店 狭小立地への出店余地を検証
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月26日 7時0分
-
「100円マック」も今は昔 値上げしたマクドナルドなぜ好調? コスパ重視の客には500円台のセットで対応
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 6時15分
ランキング
-
1お父さんは海にまいたわ…20年、父と絶縁状態の「54歳長男」が緊急帰国。「57歳長女」の仰天発言に「ギョッ」とするも一転、号泣したワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月19日 10時45分
-
2「PASMO」って10年以上使わないと失効するんですか? 母がひさしぶりに上京してくるのですが、チャージしていた「残高」もなくなってしまうのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月19日 4時30分
-
3定年直後に世界一周はダメ…退職金の延命のために絶対行ってはいけない場所、手を出してはいけない商品
プレジデントオンライン / 2024年10月19日 15時15分
-
41日1000個売れる静岡市「あみ焼き弁当」の底力 深夜3時まで営業、しずおか弁当の名物695円
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 10時0分
-
5ソフトバンク系「PayPayアセット」突然の"幕引き" 運用会社が事業を終了すると、投信はこうなる
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください