「AIブーム」は終焉を迎えた? スケール則の観点から考える
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月21日 10時5分
とはいうものの、経営者の話はポジショントークになりがち。そこでビジネス寄りの経営者より、技術寄りの経営者の意見を重視したい。さらには文字情報よりもインタビューのような動画情報の方が、発言者の真意を掴みやすいように思う。
なので技術系経営者のインタビュー動画を探してみた。まず見つかったのが技術系経営者の代表格とでも言うべきGoogle DeepMind(英国)のDemis Hassabis氏の動画だ。同氏は動画の中で「スケール則がいまだに有効なことに驚いている。最新の大規模言語モデルでも、考えられないくらいにこの法則が当てはまっている」と語っている。ただこの動画がリリースされたのが、今年2月。半年前だ。AIモデルの開発状況は半年間で激変する。もっと直近のインタビュー動画が欲しいところだ。
直近の動画だとAnthropicのDario Amodei氏の動画が8月31日にリリースされている。同氏は、前職のOpenAIで言語モデルチームのリーダー的存在だった人物。典型的な技術系経営者だ。
動画の中で、同氏は次のように語っている。「過去10年間、AIの進化の傾向を見てきた経験から、スケール則がすぐに終わるとは思えない。多分6対4、いや7対3の確率でスケール則は継続すると思う」。
また「どういう状況になればスケール則が終わったと認識するのか」という質問に対し、「いろいろ試行錯誤を続けても性能が向上しなかったり、有効な学習用の合成データを作れなかったりしたら、スケール則が終わったんだなと思うのだろう」と語っている。この語り口からして、現在開発中の次世代のAIモデルはまだそうした状況にはなっていないのではないかと推測される。
つまりスケール則がまだ有効だ、ということだ。
新しい世代のAIモデルが12カ月から18カ月の間隔で登場するとして、その次の世代のモデルが登場する12カ月から18カ月先までは、スケール則が否定されることはない。よってAIブームが終わることもない。個人的にはそんな風に考えている。
(湯川鶴章、AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長)
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