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PayPayはなぜ「当たり!」だけに頼らないのか? QRコード決済を超えた、意外な一手

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月1日 8時45分

 結果、「もっと使いたい」「キャンペーン後も継続して使いたい」という声が多いという。ユーザーエンゲージメントの向上に成功し、クレカキャンペーンのあり方を根本から変えつつある。

●デジタル化がもたらす具体的効果

 実際、こうしたリアルタイム性の高さは、キャンペーンの効果に結びついている。

 「期間中に30万人以上の新規申し込みがあった」と大島氏は明かす。これは通常の2カ月間の新規発行数に匹敵する。ユーザーが1200万人に達しているPayPayカードとしても小さくない数字だ。また、配布したスクラッチくじは4200万枚を超えた。さらに、8割以上のユーザーがPayPayカードの継続利用意向を示しているという。

 この成功を支えているのが最新のテクノロジーだ。ここで、クレカ決済の仕組みを理解する必要がある。

 通常、店舗でカードを利用すると、まず「オーソリ」と呼ばれる与信確認が行われる。しかし、実際の決済(清算)は約1カ月後だ。オーソリの段階でカード会社に送られてくるデータは極めて限られており、どの店舗で使われたかなどの詳細情報は含まれない。

 こうした課題を克服するため、PayPayカードは数年かけてシステムを刷新し、PayPay加盟店情報なども活用して精緻な加盟店データベースを構築した。このデータベースにより、オーソリ段階の限られた情報から、どの店舗での利用かを即座に特定できるようになった。

 さらに、PayPayアプリとの高度な連携も実現したことで、初めてリアルタイムに結果を確認できるキャンペーンが実現できたわけだ。

●プラスチックカードの意外な重要性

 PayPayといえば、スマートフォンを使ったQRコード決済が有名だ。しかし、同社が今力を入れているのは、意外にもプラスチックカード「PayPayカード」だという。なぜなのか。

 PayPayには、アプリ上で赤く表示される残高払い、青のPayPayクレジット、黒のPayPayカードの3つの決済手段がある。赤の残高払いは、事前にチャージした残高からの支払いで、いわゆるQRコード決済の代表格だ。

 青のPayPayクレジットは、PayPayアプリ内で利用できるクレジット機能である。事前のチャージは不要で、当月の利用額を翌月にまとめて支払える。PayPayカードユーザーが利用できるが、クレカから残高にチャージしているわけではなく、カードの与信を用いてPayPayの後払いを実現している形だ。

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