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団地の「若返り」に貢献 無印のリノベが、若年層にウケている納得の理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月6日 6時15分

 「リノベーションでは無印良品で販売する家具の色や素材に合わせて違和感のないように設計しており、無印らしさを意識しています。また『壊す』のではなく、使えるものは残すことを基本にしているのも特徴です。天井や壁などの構造はほとんど変えず、キッチンやトイレなどの水回りを新しくしています」(MUJI HOUSE担当者)

 モデルルームの壁は、従来のものから白に塗装し直した。柱・鴨居も以前のものをそのまま活用している。ふすまはダンボール製のものや樹脂製の半透明のものに置き換えた。明かりが見える半透明のふすまは圧迫感を抑える効果があるという。

 床は合板フローリングや麻畳に更新。室内の随所に置いた無印良品の家具は確かに部屋にマッチしている。賃貸物件に家具は付かないが、インテリアアドバイザーによる相談は受け付けているという。

●変えたところと、変えなかったところ

 団地の物件は天井が低く、収納スペースが不十分なため、狭くなりがちだ。リノベーションでは狭さを解消する工夫が随所に見られる。

 キッチンは脚のない「持出しキッチン」とし、ゴミ箱や食器棚などを収納できるスペースを確保した。脚のない構造は真新しい印象を与える。モデルルームではキッチンを従前より短くした分、新たに洗濯機を設置できる空間を残している。

 押入は基本的に以前の場所から変更していないが、モデルルームではそのうち1つを打ち抜き、部屋同士を行き来できるようにしている。完全にスケルトンにするのではなく、残せる部分はできるだけ活用しながらリノベーションしていることが分かる。コストを抑えられるメリットもあるのだろう。

 なお、技術的に更新が難しい浴室はメタル水栓などの導入にとどめている。また、リノベーション物件は団地内の一部の部屋に限られるため、同プロジェクトを通じて建物外観の更新は行っていない。

●40代以下の住人が大半 団地の「若返り」に成功

 こうしたリノベーション物件は若年層を呼び込み、団地の活性化に貢献しているようだ。MUJI HOUSEの担当者は次のように話す。

 「リノベーション物件では入居者の75%が、子育て世帯を含む40代以下の方々です。加えて、1200戸ある物件のほとんどが入居済みとなっています。無印のデザインが支持を受けており、古いものを生かす考え方が共感を生んでいるようです。団地特有の日当たりや風通しの良さを評価する意見もよくお聞きします」

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