根性論をなくす 人材育成を変革する「音声データ」活用法とは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月29日 7時25分
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AI時代に、音声データが持つビジネス価値を探る連載「『音声×AI』が変えるビジネスの未来」。第1回では、コールセンターなどを例に、顧客の声をビッグデータとして収集しAIと掛け合わせることで、マーケティングや営業活動に利用できるケースを紹介しました。
音声データのAI活用は、営業力の強化や業務効率化を目的として導入するケースが多く、その効果は十分に期待できますが、実は、それだけではありません。採用の強化や従業員の定着率向上といった副次的な効果も期待でき、人口減少・人手不足が叫ばれる日本企業にとって大きなメリットがあります。今回は「音声×AI」でどのように働き方を変革し、人材育成やマネジメントに新たな価値を提供するかを解説します。
●「気合い・根性論」に流されないデータドリブンな人材育成
人材育成には、「上司や先輩による指導スキルに差がある」「育成のための具体的な改善点を伝えられない」――という2つの課題があります。音声データは、この課題解決に大いに役立ちます。
まず「指導スキルの差」について、従来の育成方法として、上司や先輩がOJTで指導するケースが多いのではないでしょうか。OJTは実践的で良い方法ですが、教える人のスキルによって成長のスピードに差が出ることがあります。
そこで、部下に慕われる上司や、教え上手な先輩の会話をAIで解析します。例えば、部下に慕われる上司は「部下の話を遮らずに最後まで聞く」「相手と同じペースで話す」など、AIの話し方解析により指導スキルの差を生む要因が明らかになります。さらに、音声をデータ化することで、簡単に共有できるようになるため、これまでブラックボックス化されていた教え上手な上司や先輩の特性を社内のノウハウとして蓄積し、教育担当者のスキル差をなくし、育成方法を標準化できるようになります。
「育成のための具体的な改善点を伝えられない」という点についても、音声データが解決に役立ちます。例えば営業職の場合、成果を比較することで、売れる人と売れない人の差は分かります。しかし、差が生まれる理由や改善点が分からない場合、「モノではなく自分を売る」という精神論のアドバイスに偏ってしまったり、「もうちょっとゆっくり伝える」「もっと相手の話をよく聞く」というような抽象的な指導になりがちです。また、ハイパフォーマー本人が、自分のパフォーマンスが良い理由を言語化できていなかったり、自覚していなかったりすることもあります。
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