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GUの米国進出、レッドオーシャンでどう戦う? “ほぼ無名”からZ世代人気をつかめるか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月30日 6時30分

 実は、世界全体でこのようなジェンダーレスファッションに対する需要が高まっています。

 Fashion Law Journalの記事によると、ジェンダーニュートラルな衣料品市場は、2021年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)6.5%で成長すると予測されています。

 また、米国の調査会社・Statista社の調査によると、米国では36%の消費者が自身のジェンダーアイデンティティ外の衣料品を購入した経験があり、スウェーデンでは33%、英国でも31%の消費者が同様の購買行動を示しているといいます。

 世代別の傾向としては、Z世代を中心にジェンダーニュートラルファッションへの関心が高まっており、グローバルではZ世代のオンラインショッパーの約50%が自身のジェンダーアイデンティティ外の衣料品を購入していることが分かりました。約70%の消費者が将来的にジェンダーニュートラルなファッションアイテムを購入することに関心を示していることも明らかになっています。

 GUはこうした流れを受け、ジェンダーレスファッションを積極的に取り入れることで多様性と包括性を促進してZ世代へのリーチを拡大するほか、姉妹ブランドであるユニクロとの差別化を図り、よりトレンドにフォーカスし、若い消費者にアピールする戦略を取っていることが分かります。

●米国では無名に近いGU、今後の課題は

 このように、アジアとは異なる戦略で米国のZ世代へのリーチ拡大を狙うGUですが、品ぞろえという点では他のファストファッションに見劣りしている部分があるかもしれません。

 例えば、GUの公式Webサイトでダウンジャケットのカテゴリをクリックすると(HEAT PADDED & Pufferのタグ)、アイテムは1つしか表示されません(All Outwearだと複数のダウンジャケットが表示されるため、ウェブサイト内の商品検索性の問題もあるかもしれません)。

 一方、SHEINの公式Webサイトで同じカテゴリを検索してみると、5ページにもわたってさまざまなデザインのダウンジャケットの商品が表示されました。

 GUのように品ぞろえが厳選されていることは在庫管理やサプライチェーンの円滑運営という意味では強みとも言えますが、SHEINなどのファストファッションと比較するとやや物足りない印象があります。

 これは、Webサイトの機能拡充という点にもつながります。ファストファッションとの差別化を図ることは大事ですが、Webサイト上でユーザーの滞在時間を長くするためには多くの関連商品を見せたり、ユーザーレビューや商品を着たモデルや一般ユーザーのビデオなどを表示させたりする機能が大事になってきます。

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