1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

ゲーム「刀剣乱舞」10年目、自治体が「どうか終わらないで」と望むワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月10日 8時10分

ゲーム「刀剣乱舞」10年目、自治体が「どうか終わらないで」と望むワケ

刀剣乱舞-ONLINE-公式Webサイト

 2025年1月にオンラインゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』(以下、刀剣乱舞)は10周年を迎える。女性ファンが多いことで知られるこのゲームが、実は自治体からも継続を熱望されていることをご存じだろうか。

●刀剣文化への関心を喚起し、消費につなげる

 刀剣乱舞は、日本の刀剣文化をテーマに擬人化された刀剣たちを収集・育成するオンラインゲームだ。当初、運営元であるDMMとニトロプラス(東京都中央区)は短期間での終了も視野に入れていたが、現在では「超長期運営」を掲げ、ファン層の拡大とともにさまざまな形で進化を遂げている。

 刀剣乱舞は2015年にリリースされて以来、女性を中心に圧倒的な人気を博してきた。ゲームを軸に、舞台やアニメ、コンサートなどのメディアミックス展開も成功し、「刀剣女子」と呼ばれる新たなファン層を形成した。

 刀剣乱舞は日本刀への興味を喚起し、実際に刀剣を展示する博物館や美術館に足を運ぶファンも増加している。最近では男性ファンも増え、刀剣収集が若者の間で趣味として定着しつつある。また2025年1月には「大本丸博 2025」という10周年記念イベントを予定しており、ファンたちの期待は高まっている。

●自治体とのタイアップが地域を活性化

 刀剣乱舞が人気を博す中で、ゲームに登場する刀剣にゆかりのある自治体は、その人気を地域活性化に利用している。岡山県瀬戸内市(旧長船町)では、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」を購入するために、クラウドファンディングで約1億5000万円を集めた。

 この刀剣を展示するだけでなく、刀剣乱舞とのコラボレーションを行い、ラッピングタクシーの運行や限定グッズの販売、ふるさと納税の返礼品として山鳥毛のレプリカレターナイフを提供するなど、地域振興に最大限活用している。その結果、山鳥毛の展示による経済波及効果は年間約5億円と試算されている。

 小倉城(福岡県北九州市)でも刀剣乱舞とのコラボイベントを開催し、多くのファンが訪れた。小倉城は2023年度の目標である入場者25万人を達成しており、この記録は25万人超は63年ぶりの水準となっていうる。刀剣乱舞コラボで縁のある刀剣の展示やスタンプラリーなど、多角的なイベントを企画し、地域の観光資源として成功を収めたことも大きく貢献しているだろう。

 足利市では2017年、同市立美術館で「山姥切国広」を所有者と交渉して初展示したところ、刀剣女子をはじめとするファンを全国から3万8000人集めた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください