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「福岡の屋台DX」が好調 LINEや生成AIを導入して、どうなった?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月15日 6時30分

 福岡市内の約100軒の屋台から、「現在地」や「グルメ」などの条件で、お好みの屋台を検索する機能を追加した。さらに生成AI(ChatGPT)を導入し、「屋台常連の“AIおいちゃん”」とのやりとりを通じて、おすすめの1軒も選べるように。「同じ趣味の店主と話したい」など屋台ならではの質問にも回答する。

 「屋台の醍醐味は、目の前にいる店主や隣り合ったお客さんとコミュニケーションを取りながらグルメを味わうことだと思います。そうした文化を気軽に楽しめるように、店主のパーソナリティもAIに学習させて、AIおいちゃんを通じて情報を得られるようにしました」

●2カ月で友だちが7000人増加、反響は上々

 屋台DXが進化してから約2カ月が経過し、想定以上の反響が得られているという。

 「約2カ月でLINEの公式アカウントの友だちが約7000人増加し、2000人以上がAIおいちゃんの機能を利用しています。旅行者から最も多いリクエストはグルメ関連で、『ラーメンがおいしい屋台』は人気が高いですね。その他、『野球好きの店主がいる屋台』などの質問もあり、店主の特徴で選ぶ人も見られます」

 福岡市役所によれば、DXを含め屋台に関連した施策は概ね好調で、屋台の経済波及効果は2023年11月の調査で104.9億円にのぼる。前回調査した2011年12月の53.2億円と比較して約2倍に成長している。福岡市を訪れる宿泊客のうち、50.6%が屋台を利用しているそうだ。ちなみに、屋台の軒数自体は10年前と比較して約75%に減少している。

 屋台DXの展望としては、ひとまず現在の取り組みを2025年の3月まで継続予定だ。利用者に提供する屋台や店主の情報を随時アップデートし、AIにも定期的に学習させていくという。それ以降は、さらなる利便性の向上を狙ったアップデートを検討しつつ、屋台ならではのアナログ感は残していく方針だ。

 「現状のDXは十分な手応えを感じており、利用者だけでなく店主側からも『便利になった』と喜ばれています。一方でひたすら利便性の追求をしてしまうと、店主との対面コミュニケーションなど屋台ならではの良さが失われてしまうなと。昔ながらの価値は残しつつ、DXを進めていきたいですね」

 2017年からの公募により新たな屋台が参入し、バラエティーが豊かになり、DXによって利便性も高まっている福岡市の屋台街。長きにわたり築かれてきた屋台文化が、今後どう進化するのか要注目だ。

(小林香織)

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