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ホリエモンがプロデュース 寄付27億円を集めた北海道「人口5000人の町」でフェス開催

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月19日 20時50分

 このように大樹町では民間を中心とした宇宙産業によって、地方創生にもつながる好循環を生み出している。

●企業誘致から観光創出へ

 企業誘致に伴い、飲食店も進出する大樹町だが、今後新たな産業創出への期待も生まれている。

 「宇宙産業の発展に伴い、出張客が増えたことにより、宿泊施設の部屋数も増えています。2023年には、新たな宿泊施設も町内にできました。今回のリフトオフで、宇宙のまちだけでない、観光面での魅力発信につなげられたらと考えています」(黒川町長)

 北海道は観光業でも栄えてきた歴史があるものの、大樹町内には目立った観光地がなく、スキー場などもない。そのため観光開発が進んでこなかった経緯がある。一方で世界から日本を訪れる外国人旅行者の数は過去最高となっていて、北海道にも多くの観光客が訪れる。そのためコロナ禍が明けた現在は、大樹町を観光地として売り出す格好の機会だ。

●「低コスト化」で定着しやすいイベントに

 地域で新たな観光産業を生み出す場合、1990年代までは箱物のテーマパークを作る考え方が根強かった。同じ道内でも、夕張市の「石炭の歴史村」が好例だ。だが、石炭の歴史村は夕張市の財政破綻の一因にもなり、この方法にはリスクもある。

 そこで現在主流となっている方法が、自然など既にあるものを使った体験型イベントを観光客に提供する方法だ。まさにリフトオフもこのやり方を踏襲している。リフトオフは主にアドベンチャーレースとサウナフェスの2つで構成。アドベンチャーレースではコースを整備し、レース当日にコースアウトしないように監視する人員を配置する形だ。相応のコストで町の魅力を発信できる。

 サウナフェスも、サウナはテントの中にサウナ機器を入れて楽しむテントサウナを用意。かかるコストは機器代と燃料代が中心だ。通常サウナフェスでは水風呂も必要になるものの、水風呂は大樹町内を流れる歴舟川を活用するため、多くのコストはかからない。

 参加地域によって価格差を設けているのもリフトオフの特徴だ。リフトオフの一般参加費用は8000円。一方、大樹町民の場合は75%引きの2000円で参加できるようにした。次いで割引率が高いのが十勝管内の居住者で、半額の4000円でチケットを販売する。それ以外の地域の道民は、25%オフの6000円に設定している。地元住民を最も参加しやすくさせることで、地域の行事として定着させる狙いがある。

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