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吉野家の「ダチョウ丼」反響は? まずは1000万円の利益を目指す

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月21日 6時10分

 「ダチョウは背が高くて足が長く、人間の骨が折れるぐらいのキック力があります。二足歩行で世界最速なので、それなりの面積も必要です。また、雛のうちは高温や湿気などの環境変化に弱く、環境コントロールが欠かせません。そうした課題に対して試行錯誤しながら取り組んでいます」(辻氏)

●ダチョウ肉はクサみがなく栄養価が高い

 吉野家は8月28日から、スピーディアでとれたダチョウのモモ肉とヒレ肉をローストビーフ風に仕立てた丼にダチョウのガラスープを添えた「オーストリッチ丼~スープ添え~」(1683円)を全国の約400店舗で発売した。限定約6万食を発売したところ、1店舗1日当たり平均10~20食が売れ、比較的早い段階で終了したそうだ。

 「メニューの開発では10種類以上を検討したのですが、ダイレクトに素材のおいしさを味わえるローストビーフ風を選択しました。ダチョウ肉を食べたことがない方が多いので、カレーなどの複雑な味わいではなくストレートに旨味を感じていただこうと考えました」(広報担当者)

 気になるダチョウ肉の味についてSNS上の反応を見ると、賛否両論あるものの高評価が目立つ。具体的には「鴨肉に近い」「クセがなくおいしい」「やわらかくてジューシーな食感」といった声が見られた。一方、「クサみが苦手」という感想もいくつかあった。

 「お客さまからの反響では、『鶏肉なのに見た目が赤いことに驚いた』という外観に関する声と『味にクセがない』という感想を多くいただきました」(広報担当者)

 「ダチョウの肉は処理後、すぐに冷凍しています。店舗の担当者も肉の状態を慎重に管理するなどして高い品質を保っています」(辻氏)

 1683円という価格は「かなり努力して設定した」というが、消費者から「高い」という声が多かった。これは吉野家HDでも把握しており、「今後の関連商品の価格は検討したい」との回答だった。

●ダチョウのオイルを使った化粧品も発売

 ダチョウは「第4の肉」として期待されているが、副産物としてとれる「オイル」も売り上げ拡大に貢献するという。ダチョウの油は牛のように霜降り状に入るのではなく、分離した脂肪組織として存在しており、その組織から純粋なオイルを精製できるという。

 スピーディアが実施したダチョウのオイルに関する研究では、肌水分量を増加させ、美容成分を肌に浸透させ続ける能力が高いことが証明されている。特に、近年人気の成分であるナイアシンアミドに関しては、オイルの塗布により浸透効果が23倍になることが分かった。

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