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なぜ中古車の価格に「差」があるのか 割高or割安になる原因

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月19日 7時10分

 そんな中古車の問題点を解決するべく生まれたのが、認定中古車という商品だ。認定中古車は、新車販売を行うディーラーが点検整備をして品質を保証したもので、中古車としては充実したサービスなどがある。不動産に例えれば、中古物件をそのまま売るのではなく、リフォームして価値を高めて販売するようなものだ。

 その分、価格は割高になるが、素人が安心して買える中古車というのは大きなメリットだ。30年ほど前、ドイツ車から始まったこの認定中古車という制度は、今では国産ディーラーにも導入されている。少々割高だがしっかりと点検整備がなされ、長期保証が付帯される安心感からユーザーに選ばれるケースも多い。

 中古車という透明性(価格の根拠、品質の裏付け)の低い商品の中では、認定中古車は比較的透明性の高い商品に位置付けられる。そのため新車を選ぶ感覚で購入できることから、ユーザーに支持されているのだ。

 新車供給が不安定な現在では、ディーラーにとっても認定中古車は安定した収益を確保してくれる商品なのである。

●中古車の価値は変化する 再評価で値上がりも

 中古車の価格は1台1台異なる。定価がないため、査定価格などクルマの価値に中古車店がどれだけ利益を上乗せしようとも、販売店の自由だ。

 現実には相場より高いクルマはなかなか売れないから、年式や走行距離から相場を判断して販売価格を決める。実際は買い取りや下取りの時点でクルマの状態から査定価格が定まっているから、そこにいくら利益を乗せるかという判断になる。

 新車の時には不人気で生産台数も年数も少なく、モデルチェンジされてから再評価されて中古車価格が上昇するようなクルマもある。

 米国の25年ルール(生産から25年が経過したクルマは自由に輸入し登録できる)の影響で、かつての日本のスポーティーカーが人気となり、輸出が増えるとともに中古車価格も上昇している。日本では車両盗難の刑罰が軽いこともあって、近年こうした日本車の盗難事件が目立っている印象だ。

 以前は一定期間が過ぎれば自動車メーカーは補修部品を提供する義務がなくなるため、クルマは価値を失い、老朽化すれば廃車してスクラップになるのが常識だった。現在でもスクラップになるクルマは一定数ある(鉄の価格が上昇していることもある)が、部品を取り外して中古部品として再生したり、クルマ全体を部品取り車として新興国などに輸出したりするケースもあり、廃車されたクルマの活用法も変わってきている。

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