生成AI「本部では使われているけど……」 みずほFGがぶち当たった、社内普及の壁
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月15日 9時4分
AIX推進室では、生成AIの業務適用を3段階に分けて考えている。1段階目が、生成AIの導入だ。同グループでもこの1段階目は早い段階で済ませており、2023年6月にWiz Chatを導入した。
●3段階ある活用フェーズ
しかし、ただ単に導入しただけでは、Wiz Chatがただのチャットツールになってしまう恐れがある。そこで、同グループでは同年7月と8月に「生成AIアイデアソン」を実施。アイデアソンとは、「アイデア」と「マラソン」がかけ合わせた造語だ。決められた時間でグループごとにアイデアを出し合いブラッシュアップさせ、その結果を競わせる。
さらに2024年4月には追加モデルとしてGPT-4 Turbo with VisionやDALL-E3をいち早く導入し、生成AIへの画像入力や出力に対応した。1段階目では、このようにまず早く導入し、とにかく生成AIを使ってみることを目的としている。
2段階目が、生成AIに社内データや、外部の最新データを活用するフェーズだ。「今のみずほグループは、このフェーズ2にいる」と齋藤調査役は説明する。2024年8月にはコールセンター業務で生成AIの活用を始めた。事務手続照会AIの「Wiz Search」、融資稟議や提案書作成AIの「Wiz Create」などといったアプリケーション群の開発も進めている。
そして3段階目が、生成AIのカスタマーサービスへの活用だ。
「顧客サービスへの活用は、まだ結構な時間がかかると思っています。利用者に提供していく上では、AIがその文脈を、責任を持って理解する必要があるため、ここは社内活用とは別の段階だと捉えています」
●展開進む3つの社内生成AIツール
みずほグループでは、大きく3つの生成AIツールを社内で展開・開発している。1つ目がWiz Chatだ。これはソフトバンクの「生成AIパッケージ」を活用し、構想から3カ月程度の2023年6月に導入した。Wiz Chatは米マイクロソフト社のサービス「Azure OpenAI」を活用する形で、全国内社員に導入している。
2つ目が、事務手続照会AIのWiz Searchだ。これは同グループの内製開発ラボによって内製開発したアプリで、膨大な社内手続を検索したり、関連情報を取得したりして回答を生成するものだ。
「みずほ銀行に限らず、金融機関の手続のルールはかなり膨大で、何万ページにも及びます。これを簡単に検索し、AIによる回答を出せないかというところから開発が始まりました」
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