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DXは「7割が失敗する」 成否を分ける、最も大きな要素とは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月15日 9時0分

 なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか。

●DXを成功に導く上で考えるべき「新しい軸」

 経産省の整理は、確かに分かりやすく、DXを進めるための羅針盤としてはとても良くできていると思います。しかし、落とし穴を避けるために考えるべき大きなことがあります。それは、DXの目指す最終的なプロセスです。

 その時点での技術の到達度に依存しますが、あるべき姿が全てデジタルで賄える場合とそうでない場合で、DXのビジョンが異なります。

 例えば、Web上での広告ビジネスは、顧客も含めたプロセスはエンドツーエンドでつながっています。その一方で介護業界では、裏側のオペレーション管理などは現時点でもデジタルでカバー可能と思われますが、介護士による被介護者への、人による物理的なサービス部分のデジタル化はまだまだ先になるでしょう。

 恐らく一番多いのは「デジタライゼーション、あるいはDXの段階で、ビジネスプロセスの中ではデジタル化が進んでいる。かといってビジネスプロセス全てが自動で行われるわけではなく、人が介在する操作がそれなりに存在する」という状態だと考えられます。

 多くの場合、AIの進歩も相まって、エンドツーエンドで人が介在する部分をどんどん縮小させていくトレンドがあると思いますが、まだまだ人が介在する部分が多く残っているのが現実です。また、UXデザインとして、意図して人が介在する部分を残すこともあるかもしれません。

●成否をわける最大のファクターは“人”

 目指すプロセスの状態が異なれば、「落とし穴」も変わってきます。先述した「人が介在する操作がそれなりに存在する」状態はどうでしょうか。

 米ガートナーによると、デジタル変革を導入する際に企業が直面する最も一般的なハードルの1つは「変化に対する社内の抵抗」だということです。ほとんどの企業は、適切な従業員コミュニケーションの時間と労力を考慮していません。

 筆者は、DXの成否を分けるのは「人」であると確信しています。人は2つのレベルでDXに影響します。

 1つ目は、プロセスの効率化。エンドツーエンドのプロセスの中に人が介在するかどうかです。

 仮にエンドツーエンドでデジタル化した場合、人の処理速度・認知能力の上限に律速されないため素早く・ミスがなく遂行可能となります。また、途中の判断に関してもアルゴリズムで代替できるため、例えばデータサイエンティストがアルゴリズムを変更し数パーセントほど効率を向上させる、といった活動が最終的な結果に影響します。

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