フリーランス新法が「下請法」と大きく異なる点は? 分かりやすく解説
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月15日 9時30分
フリーランス新法、「下請法」となにが違うの?
フリーランスの取引に関する法律「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(以下フリーランス新法)が11月1日に施行されます。
昨今、副業人材の増加に伴い、企業や行政がフリーランスに仕事を依頼することも珍しくなくなりました。新しい法律でフリーランスと企業間の取引はどう変わるのか。下請法とフリーランス新法の違いは何か。企業が留意すべき点などを解説します。
●フリーランス新法を分かりやすく
労働法の世界において、フリーランスは労働者として定義されていません。そのため、労働基準法の適用外となってしまい、権利が十分に保護されていませんでした。
不利な条件で契約をさせられたり不当な扱いをされたりしても、クライアント企業から仕事を請けたいがために泣き寝入りする人もいました。厚生労働省の調査では、フリーランスの中で過去3年間に約4割の人が報酬の不払いや依頼のキャンセルなど依頼者から納得ができない行為を受けたという実態があります(参照:PDF)。
こうした問題点を解決するため、フリーランス新法では、次のような内容が定められました(参照:PDF)。
また罰則も定められています。発注事業者が法律に違反した場合、行政による調査を受けることになり、指導や勧告が行われます。勧告に従わない場合には命令・企業名の公表、さらに命令に従わない場合は50万円以下の罰金に処されることもあります。
●下請法があるのに、なぜ必要なのか?
今までも企業側が業者に対して発注する場合、不当な扱いを規制するための下請法という法律はありました。下請法では、発注元企業が下請事業者に発注した商品やサービスについて、代金の支払遅延や代金の減額、返品などといった下請事業者に不利益を与える行為を禁止する旨を定められている他、罰則も設けられています。
しかし、下請法は法人を対象としていたため、保護の対象からフリーランスが抜け落ちていました。また規制対象となる発注側も資本金が1000万円以上の企業に限定され、資本金1000万円以下の企業には適用されなかったのです。デザイナーやライターに仕事を発注する編集プロダクションなどは、資本金1000万円以下の企業も多いでしょう。
フリーランス新法は、このような資本金要件の制限なく、フリーランスに対して取引を発注する企業や事務所などを規制するものです。企業に勤める傍ら、副業として企業から仕事を受託している人も対象となります。
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