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フリーランス新法が「下請法」と大きく異なる点は? 分かりやすく解説

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月15日 9時30分

●フリーランス新法が設定された背景は?

 以前はフリーランスというと、ソフトウェア開発者やデザイナー、ライターなど特定のスキルを持った人が中心でした。近年、働き方の多様化に伴い、副業などでフリーランスとして働く人もいるため、その数は増えています。

 内閣官房日本経済再生総合事務局が2020年に実施した調査では、462万人がフリーランスとして働いていると試算されています(参照:PDF)。その内訳もデータ入力やコールセンターのような事務関連、飲食店サービスなどの生活関連サービス、配送や建設などの現場作業関連など多岐に渡っており、専門・技能職とは限らないようです。

 それに伴い、企業に雇用されていた社員が担っていた業務を外部のフリーランスへ委託する企業も増えています。理由は2つあります。1つは、社会保険料などを支払わなくてよいのでコストを削減できる点です。労働者の外注といえば、派遣社員もありますが、派遣社員を受け入れる場合と比較しても派遣会社に支払うマージン料を払わなくて済むので費用を削減できます。

 2つ目の理由は、定年後もフリーランスとして働き続ける人が増えているからです。高齢者雇用安定法の改正により、企業には70歳までの就業確保が努力義務として課せられています。とはいえ、70歳まで定年を延長する企業は少数で、65歳以降はフリーランスとして業務委託契約で依頼する企業が多いという実情があります。

●企業が留意すべき点は

 フリーランスを活用している企業にとって、今回の法改正は重大な転換点です。特に総務や経理など契約や支払いに関する業務に携わっている人は、次の3点について確認しましょう。

・フリーランスとして働いている人の洗い出し

 フリーランスというと、自宅で好きな時間帯に仕事をしている人をイメージする人が多いかと思われますが、会社に出勤している人もいます。昨今では、同じ職場内でも正社員以外に嘱託(アルバイト)、派遣社員、フリーランス、学生インターンなどさまざまな属性の人が働いているケースがあります。それぞれの立場によって適用される法律や扱いは異なります。嘱託だと考えていたらフリーランスだったということもあるかもしれません。

・契約書の確認

 11月1日以降、新たにフリーランスと業務委託契約を結ぶ際、使用する契約書や発注書はフリーランス新法で義務付けられた内容を織り込んだものとしなければなりません。なお11月1日以前の契約内容については、遡(さかのぼ)って新しい法律が適用されることはないものの、現在使用しているものを見直して、不備があれば修正を行うのが確実です。

・支払日の管理

 フリーランス新法では、発注事業者が成果物を受け取ってから60日以内に支払いを行うよう義務付けられています。支払い期日を超えないよう、社内で管理を徹底する必要があります。現状で支払い期日管理が適切に行われていなければ、まずは支払うべき相手と金額、期日を表にまとめてチェックできるようにしましょう。

 フリーランス新法に関する情報は、厚生労働省や公正取引委員会などのWebページに掲載されています。厚生労働省が公開している動画で概要を把握した上で、公正取引委員会の「事業者間取引適正化等法に関するQ&A」を読むのが効率的です。

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